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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第92回

ノマド化する音楽レーベル――「LOiD」消滅と復活の物語

2012年04月15日 12時00分更新

文● 四本淑三

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一人一人クリエイターに泣きながら電話で謝った

―― で、村田さんはLOiDを辞めて1年間、何をやっていたんですか?

村田 じゃあ一年間振り返ってみましょうか。あの取材(関連記事)があって、震災があって、テンションが超下がって。

キャプミラ すごく下がってましたよね。その辺は知っています。

村田 LOiDが終わったとき、一人一人クリエイターに泣きながら電話して、「本当に申し訳ありませんでした」というのをやっていたんですよ。30人くらいだったかな……。

―― それはきついなぁ。

レーベル消滅を事前に知らされていたゆよゆっぺさん(22)

ヒゲ ほんとに電話来ましたよ。

キャプミラ ほんとに来ましたね。僕の時は、まだすすり泣き程度だったけど。

ゆっぺ 俺のところに来たころは、そろそろ落ち着いてきた頃かな。実際どうだったんですか?

村田 後に行くに従ってどんどん辛くなっていくんですよ。何で俺こんな謝ってるんだろうとか、こんな風に謝るなんてしたくなかったというか。ここにいる人達は、11月の時点でレーベルがなくなるって知ってたんですよ。

ゆっぺ 知ってました。

村田 それを知らない人に言うのが大変だったんです。もうボロボロ泣いて。

ゆっぺ つらいっすねえ……。

村田 今だから笑って話せるけど、やっぱり3年間レーベルで培ってきたものってあるわけじゃないですか。それが一日でなくなるわけだから。本当にその瞬間はきつかったですよね。

電話があったときは、まだすすり泣きだったというキャプテンミライさん(39)

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