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『ソーシャルゲームのすごい仕組み』はこの本に書いてある!

ソーシャルゲームはウェブサービスだ!?

2012年04月11日 18時30分更新

文● ASCII.jp編集部

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 昨日発売した『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)の著者、まつもとあつし氏に本書の読みどころを聞く。(聞き手=ASCII.jp編集部ディレクター小林)

課金させるための手法はDeNA、グリーなど国内勢に一日の長

昨日発売した『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)。ソシャゲーに至るまでのゲーム業界史から3000億円の市場規模を生み出すビジネスモデルまで、気になる事項が一冊にまとまっている

小林 「海外のソーシャルゲームでの課金事情はいかがでしょう?」

まつもと 「やはりアイテム課金型が多いようです。ただ、これは個人的な感想ですが、アイテム課金で儲ける場合、仕組みをうまく考えないとゲーム性にいびつな影響を与えてしまうと思います。

 たとえば、Zyngaが運営する『CityVille』などは、しょっちゅう課金してねとゲーム内でおすすめされます(笑)。私もプレイしていましたが、結局止めてしまいました。

 あのゲームは、友人に助けてもらうことで自分はお金を払わずに済むという仕掛けなのですが、そのうち、建物1つたてるためにも10人以上の助けが必要となります。そして、掛け持ちで複数人を助けることはできせん。

 となると、百人単位で友人がいるプレイヤーはまれですから、結局NPCにお金を払って助けてもらう(課金)しかなくなる。この選択肢だと……いわゆるプレイサイクルがよくない(笑)。

 正直、課金させるための手法はDeNAやグリーのほうが一歩先を行っているなという感覚は持ちました」

小林 「ネットでガチャに注目が集まったきっかけは、十数万円突っ込んだとTwitterなどで報告する人たちが増えたこともありますよね」

まつもと 「正直、ネタ半分だと思いますが、平気で10万円以上突っ込んでいく姿には、一種恐ろしいものがありました。

 ただ興味深いのは、国産のカード型ソーシャルゲームだと、思わず課金したくなる一方で、前述したCityVilleのように課金どころかプレイすら面倒になってしまうケースもあることです。課金して手に入れたアイテムがわかりやすく強さにつながって、楽しさも増えていくという面では国産ソーシャルゲームって優秀ですよね。重課金の怖さと表裏の関係ですが」

小林 「極めようとすると、トンでもないお金と時間がかかるというのは基本無料のオンラインゲーム全般に当てはまる事項ですよね」

まつもと 「たとえばドラクエでも6000円ほどでソフトを手に入れて、ゲーム中にルイーダの酒場でルーレットを回したりするわけですから、やってることはソーシャルゲームも同じなんですよ。ただ、パッケージ価格を超えて人にお金を使わせる仕組みってすごいなと」

高額課金者は年長者!?

小林 「報道だけ見てると『子供が何十万も使ってしまって……』とかそんな事例が目に付くので、ソーシャルゲームは年少者狙いなのかと思ってしまうじゃないですか。でも、私の周りでハマっている人の特徴って、まずお金を持っていて、かつある程度自由に使える人。そこそこ高給取りな独身男性なんですよ」

まつもと 「そうですね。課金額は圧倒的に成人がボリュームゾーンです。また、取材した限りでは、いわゆる下流喰いとまでは言えないなあ、とも感じています」

小林 「アニメBDの売り上げも30~40代が支えていますし。“ファン”は若者のほうが多いだろうけど」

まつもと 「題材がオタク系の場合、課金層の年齢は上がるのか否か? この辺は別途調べたいですね。連載のネタにしましょうか(笑)」

連載「メディア維新を行く」でもソーシャルゲームを含む業界の未来を考察していきます。お楽しみに!(まつもと)

ソーシャルゲームはウェブサービスだ!?

小林 「僕は有名タイトルしか知りませんけど、その裏では毎月何十タイトルもの作品が同時にオープンしては消えていくんですよね」

まつもと 「そうですね。プラットホーム側に足きりラインがあって、一定数に達しない作品は集客導線から外されるわけです。一種の焼畑と言えるでしょう。現状、同じようなシステムのカード型ゲームを、体裁と世界観だけ変えて次々に送り出していますが、そろそろ次のステージに上がる頃合なのでは。

 それがゲーム性向上なのかはわかりませんが、個人的にはRPGやアクションといった、既存のゲームジャンルを取り入れていくのではと」

小林 「以前、ソーシャルゲームのヒット作を手がけたメーカーに取材したのですが、いわゆるゲーム会社の雰囲気じゃないので驚いた記憶があります。取材の席に着いたら、数字に強そうな方からコンバージョンの資料を延々見せられたりとか」

まつもと 「取材を重ねて気づいたのは、ゲームを作っているというよりも、ウェブサービスを運営している感覚なのだなあと。離脱率を非常に気にしたりとか。本書ではビジネスの組み立てから制作手法に至るまで、パッケージゲームとの相違点を挙げながら解説しています」

小林 「すでにハマっている人から、コンプガチャやRMTの話題からビジネス的に気になっている人まで、さまざまな層の疑問・興味に答えてくれる一冊だと感じました。本日はありがとうございました」

まつもと 「こちらこそ。なお、連載『メディア維新を行く』でもソーシャルゲーム含めたゲーム業界全般の考察に入っていきますので、こちらもよろしくお願いいたします!」

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