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2年連続の女王戴冠なるか? 5年目のミクGTプロジェクト第13回

10年目の栄光! 谷口信輝、苦難のチャンピオンロード

2012年04月14日 12時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 ●写真/加藤智充、編集部

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2011年、“イロモノ”チームに移籍を決めたワケ

──いよいよ2011年にGSRに参加されるわけですが、オファーはいつからありましたか?

谷口 2010年の暮れかな。大橋さんと会うことになって、熱烈ラブコールを受けたわけです。最初は番場を変えてくれたらいいよ、なんて言っていたんですけど、それはどうにもならないみたいで(笑)。ちょうど右京さんも参加するって話も聞いてたんですが、そのとき他のチームからのオファーもあったので、僕としてはどのチームに入ればチャンピオンを取れるのかというのを見極めたかったのもあり、いったんは保留にさせてもらいました。例えばクルマがA、チーム力A、相方がB、資金力がAみたいに、自分の中で判断基準があるんです。なるべくチャンピオンを取れるパッケージを揃えたいじゃないですか、オフシーズンの間に。

 GSRからオファーをもらったときに、まずクルマ(Z4 GT3)は楽しそうだなと。メンテナンスガレージはRSファインがRE雨宮撤退で空いているからどうか、と提案しました。僕が乗ろうが乗るまいが、RSファインにはなりそうだったんですけど。本当は某チームに移籍しようかと思ってたんですよ。監督もやる気になってたし。でも途中から計画が縮小されてきちゃって、これはないなと(笑)。GSRは安藝さんからも大橋さんからも声をかけてもらっていたんですが、なぜか番場だけは変えられない。俺は「番場は遅いとは言ってない、むしろ速いと思う。ただ、やらかすんです」と言ったんですよ。今年こそはチャンピオンが取りたかったので、安心してバトンを渡せる人がいいと。でもガンとして番場は変えなかった(笑)。ただ、他のパッケージと比較したら、ここ(GSR)で気になるのは番場だけ。じゃあ、番場を育てることに徹しようと。

誰もが驚いた谷口選手のGSR入り。数ある名門チームからのオファーを断り、新規立ち上げしたチームにチャンピオンの可能性を見出して加入することになった。今となってはその選球眼は見事としか言いようがない

──クルマも未知数だったんじゃないですか?

谷口 そうですね。でも、シェイクダウンで乗ったときに「お、こりゃかなり手応えアリ!」と思ったんですよ。これなら、イケるかもしれないって。

──加入以前のGSRは、谷口選手から見たら“イロモノ”な印象でしたか?

谷口 うーん、正直、印象どころか眼中になかったかな(笑)。GT300の中でレースをしているチーム、ただ参加しているだけのチーム、その中間のチーム、という判断基準が僕の中にはあるのですが、完全に参加しているだけのチームって見方でしたね。(初代ミクZ4の)片山エンジニアのことはもちろん知ってたけど、四苦八苦してて大変だなあと。あとは、サーキットに新しいジャンルのお客さんを連れてきてくれてありがとねって感じでした。ポルシェになってメンテナンスがKTRになり、中間層のチームにはなったけど、まだ上位争いをするようなチームではなかったので、脅威とかもなかったし。

──そんな評価だったのに、よくぞ来てくれました!(笑)

谷口 クルマはZ4だし、メンテはRSファインだし、タイヤはヨコハマということで、即答でNOは言いませんでしたが、最初は「初音ミク号~? 俺が?」みたいな戸惑いはありましたよ。

 今ではすっかり慣れましたけど、始めに番場がビビらせるから、どうやって個人スポンサーの人たちと接したらいいのか、ビクビクしていましたからね(笑)。ニコ生でも「谷口△」というのを見て、「なんで俺が○じゃなくて△マークなんだよ!」ってイラっとしたし。

 でも、去年1年間でみんなへの意識が変わりましたね。みんないい人たちですよ。今ではまったく抵抗感はありません。サーキット以外にも初音ミクファンとか個人スポンサーさんがたくさんいますよね。僕は仕事で日本中回っているので、各地で「あ、こっち側の人間だ」という人と出会うワケですよ。個スポやってますとか、レースはやったことないけど見てますとか、話しかけてくれるんです。1万6000人は伊達じゃないなあと(笑)。

ビデオの仕事をしていただけに、谷口選手は喋りも達者だが、ニコ生のコメントとのやりとりや、ネット特有のスラングは慣れるまでに時間がかかったようだ(笑)

──このチームが始めた、個人スポンサーというシステムはどうですか?

谷口 すごいシステムだと思いますよ。レース業界って基本的にはお金を消費するだけなんですが、お金を産んでレースをやってるチームなんですから。しかも、個人スポンサーさんたちもグッズをもらったりサーキットに観に来たりと満足度も高い。応援したクルマがチャンピオンになったりとかね(笑)。だから去年は個スポのみんなも僕たちも、みんなハッピーなシーズンでしたよね。

サーキットで、PVで、テレビで、そしてネットで、1万6000人以上の個人スポンサーが声援を送っている

──“痛車”に対する印象は何かありましたか?

谷口 見て見ぬフリしてたからなあ(笑)。みんなそれぞれいろんな楽しみがあるよねって感じかな。クルマ業界における痛車のムーブメントは知ってましたよ。全国で痛車の集まりがあって、すごい盛り上がってるって。痛車について詳しく知ってるってわけじゃないですけど。あと、最初にミクZ4に乗ってた菊地 靖選手と田ヶ原章蔵選手は仲が良いので、いろいろと聞いてましたしね。

今となっては懐かしい、初代ミクZ4。2008年、SUPER GTは新しいレースの夜明けを迎えた

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