ビデオカードの一つでも増設してみましょう
続いてもう一品。今度はThermaltakeの「Element Q」を使って組んでみたいと思う。「ん? Element Qなんてケース、聞いたことないぞ?」と思った方はスルドイ!。実は国内未発表の製品で、これは日本サーマルティクさんからお借りした製品なのだ。本製品は4月下旬にも発売が予定されている。
こちらはいわゆるキューブ型ケースだ。220Wの電源を搭載しているだけでなく、3.5インチベイを2基分搭載していたり、通常サイズのPCI Express/PCIの拡張カードを装着できるなど、ケースサイズ限界まで拡張性を持たせているケースだ。
ちなみに、こちらのケースにZOTACのA75ITX-A-Eを用いる場合、CPUのポジション的に電源ユニットが上部にくる。そのためCPUクーラーの高さに、先ほどの同じような制約が生じるので注意したい。高さ約40mmのリテールクーラーでも隙間はそれほど多くなく、これが事実上の限界といっていいだろう。
まず、この構成でのCPU温度だが、CPU負荷100%をかけ続けた場合に69度ほどで推移する。クーラーの直上が電源ユニットという熱源のため、CPUクーラーのファンが取り込む空気がそもそも暖かいのではないかと思う。
CPU温度が高いために、CPUクーラーのファンも回転数がかなり上がる。先のASKTechのケースを使ったときは温度・回転数ともに安定していたが、こちらはファンの回転速度が頻繁に変化。5000rpmを超えることも多く、そのときはさすがに騒音も大きい。もう少しまじめにケーブルマネージメントをするなど、ひと工夫が必要だったかも知れない。
次にビデオカードの増設にチャレンジしてみた。先に写真で紹介した「ELSA GLADIAC GLADIAC 998 GT SP 512MB」(関連記事)だ。この製品を選んだ理由は、たまたま当社の事務所にあったから……というだけでなく、今回の環境では、
・1スロットである
・電源端子を必要としない
という要件がある。事務所にあったこの要件を満たす製品では、一番性能が良さそうだったのがこちらなのである。
また、こちらのボード消費電力は75Wとされており、PCI Expressスロットから供給可能な最大電力の値が示されている。これで動くなら補助電源を必要としないビデオカードは何でも動くはずだから参考にするのはちょうど良いんじゃないか、という理由も、いま本テキストを書きながら思いついた。
結果はというと、3DMark Vantageを実行しても落ちることはなく、ピークも130Wを越える程度。CPU内蔵のGPUの電力を使っていない状態であることが大きいのではないかと思うが、75W以下のビデオカードを装着しても、220W電源で何とかなるわけだ。
もちろん性能についても上積みされており、3DMark VantageのHighプリセットのスコアは内蔵GPUが“2701”に対して、GeForce 9800 GTは“3495”。もっと新しい(電力効率の良い)ビデオカードも試してみたくなる結果だが、それは読者の皆さんが試してほしい。
A75-ITX WiFi(A75ITX-A-E)
メーカー:ZOTAC
実売価格:1万2980円前後
製品情報
NT-TX1000/AC200BK(200W電源付き)
メーカー:ASKTech
実売価格:8680円前後
製品情報
Element Q
メーカー:Thermaltake
発売日:4月下旬予定(価格未定)
製品情報
■Amazon.co.jpで購入
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