このページの本文へ

「ネットで売れない」を変えた 常識破りの商品戦略 (1/3)

2012年04月16日 10時01分更新

文●三浦たまみ

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷
バックナンバーへ

この記事が参考になる業種

  • 雑貨/グッズ
  • 文具/ステーショナリー
  • ファッション/アパレル

「ECサイトには不向き」の代表格とされてきたメガネ。レンズの度数が分からない、フィッティングができないことなどから、「買いにくい」と思われやすい商材だ。

 それを払しょくするため、JINSブランドを展開するジェイアイエヌがまず始めたのが、ECサイトだけで完結させることにこだわらず、全国に146店舗ある実店舗も活用しながら、「ネットも、店舗も」行き来できるしくみを作ったことだ。その象徴が、「レンズ交換券」を同封して送付するサービスだ。

「ECサイトでお気に入りのフレームを選び、注文画面内で『レンズ交換券同封』にチェックを入れて購入したお客さまには、メガネフレームとレンズ交換券をご自宅にお届けします。それを持って最寄りの店舗に足を運んでいただければ、度付きのレンズを提供するサービスです。今まで使っていたメガネを持参していただければ、それと同じ度数のレンズにもできますし、改めて視力測定をして新規にレンズも作れます」(アイウエア事業部Eコマースグループマネジャー 新井 仁氏)。

第2回P01_01-2.png

欲しいフレームをショッピングカートに入れてから、「ご注文手続きへ」をクリックして進むと「度数の確定方法を選択してください。」でレンズの度数をどうするのかを選べる。ここで「レンズ交換券を同封」を選ぶと、選んだフレームに下のようなレンズ交換券が同封されて送られてくる

 これは、4990円、5990円、7990円、9990円の料金体系にレンズ代が含まれ、度数が強い人でも追加料金0円というシンプルなシステムだからこそ、提供できるサービスだ。メガネの度数を知らなくても気軽に購入できる意味では、ギフト需要も見込めるだろう。

「ネット上で完結できないことは、実店舗と連動してフォローしていけばいい。そう考えて始めたサービスですが、評判は上々でした。実店舗は特に土日は混雑するので、ECサイトでゆっくりと好みのフレームを選んでおき、お店ではレンズ交換のみで済ませる使い方をするお客さまもいらっしゃいます。また、実店舗があるからこそ、ECサイトでも安心して買い物できると感じてくださるお客さまも多いようです」

第2回P01_01-4.png

「ネット上で完結できないことは、実店舗と連動してフォローしていけばいい」と語る、アイウエア事業部Eコマースグループマネジャー新井 仁氏

JINS

http://www.jins-jp.com/

http://www.rakuten.co.jp/jins-ec/

http://bidders.jp/user/26436262/

  • 運営会社:株式会社ジェイアイエヌ
  • オープン:2007年(創業1988年)
  • 従業員数:1096名(2011年8月)
  • 年商:146億円(2011年8月)

1988年、群馬県前橋市に、服飾雑貨並びに生活雑貨の企画・製造・卸売を目的に、有限会社ジェイアイエヌを設立し、2001年よりアイウエア事業を開始。2006年、大阪証券取引所ヘラクレス(現JASDAQ)に株式を上場。2010年、中国遼寧省瀋陽市に海外第1号店「JINS瀋陽店」を出店し、海外へ進出。

前へ 1 2 3 次へ

この連載の記事

一覧へ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています