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本格的なID社会の到来がもたらすメリットとは何か?

共通番号制度について、今伝えなければいけないこと

2012年04月04日 09時00分更新

文● 八木晃二/野村総合研究所 DIソリューション事業部長
聞き手●山口学

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共通番号制度は全国民に関わる大きな課題

 今年1月、内閣府が「社会保障・税の番号制度に関する世論調査」の調査結果について公表しましたが、共通番号制度の内容まで知っている方が2割にも満たないのに対し、8割以上の方が番号制度に懸念を感じられている。その一方で、5割以上の方が番号制度は必要だと考えておられる――。

 いかに、あいまいなまま議論が進められているか、この結果からもうかがい知ることができます。日本は、国民性として「お上任せ」の面がありましたが、それが今、崩れつつあります。年金問題しかり、国家財政しかり。もはや、国民一人ひとりが当事者として、こうした問題に向き合う時期が来ているのではないでしょうか。

 共通番号制度は、国民全員に関連する大きな制度です。その重要な制度が、十分に議論されないまま、なし崩しで進んでいくことに大きな懸念を感じています。マイナンバー法が閣議決定し、これから本格的な制度設計が始まる今こそ、共通番号制度について、いったん整理すべきなのだと感じています。 本書は、多少専門的な内容が含まれるので、ビジネスマンの読者層が対象に思えるかもしれませんが、国民全てにかかわる問題だけに、一人でも多くの方に手に取っていただくことを強く願っています。

【筆者プロフィール】八木晃二(やぎこうじ)

 DIソリューション事業部長。1986年野村総合研究所(NRI)入社。証券システム本部、情報技術本部、システムコンサルティング部、ITマネジメントコンサルティング部に所属し、企業システムインフラに関するコンサルティングおよびソリューション開発に従事する。ITソリューションコンサルティング部部長を経て、野村総合研究所の米国現地法人であるNRIパシフィックの社長に就任し、米国の先端技術調査活動を実施する。2005年に基盤ソリューション事業本部 基盤サービス事業部(現・DIソリューション事業部)部長に就任する一方、2008年10月1日より、米国OpenID Foundation公認団体、OpenIDファウンデーション・ジャパン(略称:OIDF-J)の代表理事に就任。デジタルアイデンティティに関するソリューション企画・開発、共通番号、国民ID制度への提言活動を行う。

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