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2年連続の女王戴冠なるか? 5年目のミクGTプロジェクト 第11回

逆転劇連発のSUPER GT岡山戦 ミクZ4は3位表彰台!

2012年04月03日 18時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部、撮影● 鉄谷康博、加藤智充、編集部

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ミクZ4は我慢のレースで粘りの3位!
Mirai Z4は順位を上げて15位で完走!

 谷口・片岡コンビは口を揃えて「やらかさない、事故をもらわない、タイムをあまり落とさずに周回する」ということを前提に我慢のレースをすると言っていた。去年はポールトゥウィンばかりだったので、今年のこういうじわじわ追い上げるというレース展開は新鮮だ。それだけ他のマシンのポテンシャルが上がっているという証拠だろう。

 そんな我慢が功を奏し、すぐ目の前を走っていた#3 NDDP GT-Rが、同門であるGT500の#1 Sロード GT-Rと接触してコースアウト。ドライビングスルーペナルティーを消化しながらも順位を3位まで上げてきていた#87 ランボルギーニ ガイヤルドも、60周を過ぎたあたりでコースアウト。この時点でミクZ4は4位、Mirai Z4は16位になった。

 ミクZ4は表彰台まで射程距離に入ってきたが、なにせ前を走るのは#33 ハンコックポルシェなので、残り10周を切った段階では(表彰台は)難しいと思われていた。しかし、徐々にタイム差が縮まり、残り3周というところでハンコックポルシェをパスすることに成功。どうやらハンコックポルシェはタイヤが限界を迎えていたようだ。ミクZ4のすぐ後ろから追い上げてきていた#15 ART TASTEポルシェにも抜かれてしまい、最終的にハンコックポルシェは5位となった。

 我慢のレースで耐えに耐えたミクZ4は、ライバルたちの脱落を尻目に3位表彰台を獲得。幸先良い2012年の初陣となった。片岡選手はこのレースを振り返って、「今のわれわれで考え得る最高の結果だった」と語った。トップ争いは激闘の末、#11 ゲイナー R8が#911 タイサンポルシェをかわして、約2年ぶりの優勝を決めた(2010年のJAF-GPを除けば2009年のオートポリスが最後の優勝)。やはり今年も#11は最大のライバルとしてミクZ4の行く手に立ちふさがりそうだ。

 苦しい戦いだったMirai Z4も、なんとか15位でフィニッシュ。残念ながらポイント圏内(10位以内)には入れなかったが、佐々木選手も自信と勘を取り戻したようだし、今後はもっと上位でのバトルを見せてくれるだろう。番場選手は「合同テストからの(悪い)流れを断ち切ろうと、今回の目標を完走することに設定したんです。本当はもっと順位を上げて佐々木選手にバトンを渡したかったんですけど、思ったよりもスピードが上がらなくて。次への課題としてタイムとか走り方とか全体的に底上げをしていきたいですね」とすこぶる前向きだ。佐々木選手もレースを終わってみて「GTの走らせ方を思い出してきました。もう昨日みたいに凹んだりしません」と力強く答えてくれた。 片山右京監督の『ネバーギブアップ!』精神は、ドライバー2人にも通じているのだろう。

 GSR以外の痛車勢の結果は、7位・エヴァ紫電、10位・イカ娘フェラーリ、20位・マッハ先輩、リタイヤ・音々コルベットになった。23番手スタートからシングルフィニッシュまで持っていったエヴァ紫電は、さすがの貫禄である。イカ娘フェラーリも、新加入の井口卓人選手の踏ん張りでポイント獲得と、滑り出し上々だ。

 さて、次戦はStudieのホームコースである富士スピードウェイ。去年の実績を考えれば、ぶっちぎりのポールトゥウィンを期待してしまう。しかし、谷口・片岡両選手は「次から(FIA-GTのBOPに従うため)リストリクターをさらに絞られるので、もはや去年のような直線番長は期待できない。むしろ、直線では勝負できません。今回以上に苦しいレースになるかと思いますが、我慢していればいいことがあると今回わかったので、粘りのレースをしたいですね」と語った。負けず嫌いの谷口選手は「なんか他人任せみたいで嫌なんだけど(笑)」と付け加えていたが……。

 直線の速さは、もはやミクZ4のアドバンテージではなくなった。超高速ステージの富士スピードウェイで、ミクZ4を始めとする痛車勢がどんな走りを見せてくれるのか? それはサーキットに来て、自分の目で確かめてほしい!

※ASCII.jpでは、今年も応援シートを開催! 5月の富士戦から実施に向けて準備中です!! 富士戦ではお直りシートがないので、慌ててチケットを買わずに、もうちょっと待ってね! (応援シート担当)


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