日本では新入学シーズンである4月。新入学の大学生はPCやスマートフォンを導入する時期だろうか。中国では9月が新入学シーズンなのだが、今回は中国の大学生のIT環境について紹介したい。
日本でもそうであるように、中国でも大都市の大学のキャンパスは続々と郊外に移転している。5年以上前は街中に大学があり、大学の周辺にネットカフェが点在し、多くの大学生がレポート作成……ではなく、オンラインゲーム目的で通い詰める姿をよく見かけた。
だが、学生の間でPC所有が普通のこととなると、特に沿岸部においてはネットカフェは苦労して探さないと見つからなくなった。代わりに台頭してきたのが、ショップブランドPC販売や故障したPCのパーツ交換を行なうパーツショップと、近年はスマートフォンも扱いだした携帯電話ショップだ。学生街で最も大きな変化といえばこれらITショップ絡みで、学生向けのB級グルメがそこらじゅうにあるのは昔も今も変わりない。
中国でも、筆者が滞在したほかのアジアの国々でも、大学は比較的開放的だ。広いキャンパス内では走り回る子供や、犬を連れて散歩する人が多く、市民の憩いの場となっていて、また多くの大学では外国人留学生も積極的に受け入れていることから外国人も珍しがられない。
ましてや日本人は中国人と容姿が似ているので、場の雰囲気に溶け込むことは簡単。図書館など一部の建物に行くことがない限りは入館チェックを受けることはなく、生協のような売店で買い物をすることも、通路から授業風景を見ることもできる。
カップラーメンをはじめとした食品や、文房具や日用品などを販売している生協のような売店のほか、PC関連ショップや通信キャリアのショップが並ぶ。大学によっては、通信キャリアの中国移動(チャイナモバイル)、中国聯通(チャイナユニコム)、中国電信(チャイナテレコム)が店を出し、こぞって学割プランで学生らを呼び込んでいる。
また、パーツショップのほか、レノボやアップルなどのメーカー代理店を置く大学もある。アップルの代理店がある大学はさておき、ほとんどの大学生はリッチではなく、相場情報など情報収集能力に長けているという特徴を持つ。
つまり、下手なことをすればクチコミで学校中に広まりかねない。そこでIT製品販売店では極端に高い価格で売ったりなどはぜず、相場通りに販売し、PCパーツショップでも修理対応で販売するPCパーツや印刷サービスで小銭を稼ぐ。最近はPCを所有する学生が増えてきたことから、薄利多売で商売が成り立つのだそうだ。
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