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Apple Geeks 第77回

iPad/iPhone/OS X+iCloudで「文書」が変わる

2012年04月02日 12時00分更新

文● 海上忍

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iCloud時代の「文書」はファイルにあらず

 現在のOS X版iWorkは、Document in the Cloudに対応していない。iCloud経由でiOS版iWorkと文書をやり取りするためには、ウェブブラウザーで「iCloud.com」にアクセスし、ファイルの形でダウンロード/アップロードしなければならない。

 しかし、システム環境設定「iCloud」ペインで「書類とデータ」を有効にしていれば、iOS版iWorkで作成した文書はOS Xから直接アクセスできる。ホーム→ライブラリ→Mobile Documentsフォルダー(~/Library/Mobile Documents)以下に自動作成された、「com~apple~Numbers」などのフォルダーがそれだ。

システム環境設定「iCloud」パネル右下の「管理...」ボタンをクリックし、アプリを選択すると、iCloud上の文書を一覧表示したり/削除したりできる

 そのサブフォルダーをFinderで開くと、iOS版iWorkで読み書きしていた文書がフォルダーの形で存在していることが分かる。単一構造のファイルではないところがポイントだ。

 Numbdersの場合、その文書(フォルダー)を開くと、「buildVersionHistory.plist」と「index.db」、「index.viewstate」というファイルに加えて、「Preview」というフォルダーを確認できる。そのうち「index.db」が文書の中核部分であり、SQLite3形式のデータベースだ。

iCloudの文書(フォルダー)を開くと、いくつかのファイルを確認できる。果たしてその実体は「データベース」だ

 index.db内にはいくつかのテーブルがあり、スプレッドシートを構成する各種データが格納されている。Terminalで「sqlite3」コマンドを使い、index.db内の「dataStates」テーブルを調べれば、セル上の数値や文字列を確認できるはずだ。

sqlite3コマンドを使い「index.db」を開くと、文書の内容にアクセスできる

 あとは「SELECT 〜」の使い方などSQL文の話になるため省略するが、「Document in the CloudにおけるiWork文書の実体はデータベース」という事実がこれで確認できるはず。iOS/OS Xにおける「ファイル」は、iCloudとの統合を深めるにつれ、このようなデータベース型が増えてくるのだろう。


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