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『アクセル・ワールド』TVアニメ放送直前SP企画 第3回

われらAW設定研究会(後編)

『アクセル・ワールド』気分を味わうには300BPMの曲を聞け!?

2012年04月06日 17時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/AW Project

最も手の届く設定は《ソーシャルカメラ》かも……

―― 『アクセル・ワールド』の世界では、主人公が通う中学校はもちろんのこと、屋内外問わずあらゆる場所に《ソーシャルカメラ》という名の防犯用監視カメラが設置されています。その規模は日本国中の公共空間を網羅しています。

野口 「夜間に中学生が《ソーシャルカメラ》に映ると通報されるから友人宅からの帰宅を諦めた、みたいな台詞がありましたね。ということは個人識別まで備えている」

―― 冷静に考えると凄まじい監視社会なわけですが、この《ソーシャルカメラ》の映像を全部引っ張ってくれば、3Dデータの仮想日本国ができると考えることもできます。そして事実、《ブレイン・バースト》すると、現実同様に3D映像化した仮想日本に降り立つことになります。

野口 「世界中のウェブデータがGoogleのキャッシュに存在していると言われた頃の感じに近いのかな。まあ昨今はFacebookなどの閉鎖系サービスがあるからとても完全とはいえないけど」

遠藤 「しかも、世界の方向性はこっちだよね。ビッグデータ解析とかトレンドでしょ? もしかすると最も手の届く位置にあるかも」

野口 「ロンドンはすでにこんな按配だとか。ロンドン市街すべての監視カメラ映像を元に、FPS用のロンドンMAPを作れる勢いですよ」

《ブレイン・バースト》中の青い風景は、監視カメラの映像を再構成したものだ (C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/AW Project

『アクセル・ワールド』はテクノロジー進化の楽しさを
思い出させてくれる!

遠藤 「そういえば1つ面白い話があって。以前、パラメトロンを発明した後藤英一氏が、超伝導コンピューターを開発中だというので取材に行ったんですね。

 そうしたら、『これが実用化されればコンピューターの消費電力は1/106になる』って言うんだ。要は1/100万分。超伝導だから冷やす状態さえできていれば、冷却装置を入れても消費電力が6桁落ちる。

脳細胞って微妙な電気回路なのにまったくシールドされてない。ヘアドライヤーとかノイズがすごいハズでしょ。なぜ平気なのか? これはむしろ逆で、雑音がないと回路は発散するか収縮してしまうんです。自然界の電磁波や雑音が入ることで、止まらず動けている(遠藤)

 ひるがえって、アメリカの消費電力の5%をサーバーが占めていると言われたのが5年ぐらい前なんだけど、イギリスの調査会社によるとGoogleのサーバーはバーチャルサーバー含めて1000万台あるんだって。おそらく物理的には数百万台だと思う。ということは、超伝導コンピューターに置き換えれば、たった数台分の電力で済むんだよ!

 今回は、放談って感じで突っ込んでほしくないところもあるんだけど、要するに、テクノロジーの進化ってまだまだいくらでも手はあって、無限の可能性があるってことが言いたい。どうしても、いまネットでどんなビジネスができるかとか、スマートフォンのアプリがどうという話に目を奪われがちなんだけどね。『アクセル・ワールド』は久々にテクノロジーの楽しさを思い出させてくれましたね」

前編はこちらから!

電撃文庫の大人気シリーズ『アクセル・ワールド』
ついに今夜から放送スタート!

(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/AW Project

 2046年、ニューロリンカーと呼ばれる携帯端末を用いることで生活の多くが仮想ネットワーク上で行われるようになった世界。だが、どんなに時代が進んでも「いじめられっ子」はなくならない……。

 ハルユキもそんな中学内格差(スクールカースト)最底辺に位置する一人であった。ローカルネットの片隅で、ひたすらにスカッシュゲームに打ち込むだけの暗く陰鬱な日々を過ごしていた彼だったが、ある日突然、校内一の有名人《黒雪姫》に声をかけられる。

 「もっと先へ……《加速》したくはないか、少年」

 彼女から謎のプログラム《ブレイン・バースト》を託され、《加速世界》の秘密を教えられたハルユキは、黒雪姫の『騎士』として戦うことを決意する……!!

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