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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第90回

補聴器屋さんが作ったイヤホン「FitEar」が本気すぎる、という話

2012年03月31日 12時00分更新

文● 四本淑三

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業務用から音楽鑑賞用へ

―― MH334というとFitEarのカスタムイヤーモニターで一番高い機種ですか。

須山 業務用のイヤーモニターとは別のラインで、音楽鑑賞用の開発もやっていたんですが、334でどっちにも使えるバランスが得られたんです。課題だった高域の位相干渉によるディップとピーク、低域の解像度をどうやって確保していこうかと。それを解決することで音楽鑑賞用にもいけるということになったんですね。

※ 複数のレシーバーの位相が揃わないために、波形のある部分が相殺されてしまい、特定の帯域のみレベルが下がったり、強調されたりしてしまうこと。

―― 音楽鑑賞用ということは一般のリスナーもターゲットにするということですが、用が足りればいいプロと違って、一般のオーディオマニアの方が逆に音についてはうるさくありませんか?

須山 そうですね。いままでのオーディオの好きな方というのは、周波数のバランスを言いますよね。どうしてもデータとして出てきますし。でも実際に音楽を聴くときには、20kまでフラットで出ているものと、12kくらいで落ちて16kくらいにピークがあってまた落ちてしまうようなもの。どっちがいいかと聴き比べてみると、実際には12kくらいで落ちているものでもバランス良く聴ける場合も出てきます。

周波数のバランスと、実際に耳がとらえられる音の関係も調整の課題という

―― その辺がオーディオの面白いところですよね。

須山 それとカスタムイヤーモニターという製品の特徴として、防音室レベルの遮音ができますので、そういった環境でどう聴かせるかという点ですね。ヘッドホンですと頭内定位といいますか。

―― そうですね、耳に直接当てるので、おでこくらいのところに定位しますよね。スピーカーは目の前に定位しますけど。

須山 イヤーモニターの場合、設定をうまく詰めていくと、ラウドモニターから出てくるような音を出しやすいんです。

―― おっ、それは面白いですね。

須山 解像感についても、数ccくらいの空気の容積しか無い中で鳴らすイヤーモニターと、フリーフィールドを伝わってくるものでは、音の伝達効率がケタ違いですので、その辺のメリットを生かした聴かせ方もできます。その中で様々なニーズは出てくると思うんですが、そのあたりはキャッチアップしていきたいと思っています。

 (ここで電話が鳴る。須山さんが受話器に「分かりました。ちょっと待っていてください」のようなことを言っている)

須山 もしよろしければ、本日に耳型を採取させていただいて、サンプルで一つ製作させていただければと思うのですが。いま採取の方の時間が空いたということですので。

―― えっ。あの、耳掃除してないんですけど。

須山 あははは。いや、もちろんちゃんと確認させていただいて、安全に採取できる状況でやらせていただければと思うのですが。

原田 そうするとカスタムの良さが分かりますよ。

―― えーと、あの何か勘違いされているかもしれませんが、僕はオーディオ評論家じゃないし、そもそもASCII.jpってそんな高級オーディオ誌じゃなくてですね。

須山 いえ、イヤーモニターの場合、使ってもらわないとイメージがわかないということがありまして。

―― 使用感については[TEST]さんがすでにオーダーしているというので、彼に取材しようと思っているんですよ。それで感想を聞けば何とかなるかなと思うんですよね、僕がやらなくても。

須山 [TEST]さんは今日、こちらにお出かけいただくことになっていて。実は今日、お渡しなんです。

―― あ、じゃあ[TEST]さんが来るまで待ってようかな。ね、そうしましょう。

須山 そんなこともあって、お待ちの間にぜひお試しをいただければと思いますので。もしよろしければ耳型採取の様子なんかも取材していただけますので。

―― しかしですね、盛田くん(担当編集)、あなたどうですか。えっ、写真取るの? じゃあ床屋さん行ってこようかな。また今度とかじゃダメですか。ねえどうしてオレなの?

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