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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第88回

インタビューとテストで確認するデルXPS 13の価値とは?

2012年03月30日 13時48分更新

文● 西田 宗千佳

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 バッテリーに直結する部分として、発熱も少し気になる。全体としてXPS 13は、発熱が大きい方だ。発熱源は本体右側奥にあるようで、アイドル時でもキーボード右奥側がほんのり暖かい。負荷が高まるとすぐにファンが回るようになり、その風切り音も大きめだ。吸気・排気は背面から下・奥に向かって行なわれるため、膝上で使う場合には、高負荷での発熱が比較的気になるだろう。他方で、最高負荷で動き続けた時の発熱と、アイドル時の発熱の差は意外と小さめで、ファンによる積極的な放熱がそれなりの効果をあげていると思われる。

各部の温度 放射温度計による測定、室温は18度。フルパワー時はH.264動画エンコード状態

 最後にまとめだ。低価格でデザインも良く、動作状況も良好。XPS 13はこの価格で買えるパソコンとしては、かなり高い点を与えられる製品だ。発熱やディスプレーなど、もう少し改善してもらいたい部分もあるが、同価格帯のUltrabookと比べて特に悪いのか、と問われるとそうではない。「もっと良くするには」という絶対的な評価だ。現状最もお買い得なUltrabookであるのは間違いない。

 他方で、日本で使う商品として考えると、WiMAX内蔵モデルの設定がないのは残念だ。WiMAXが日本以外の市場で重視されておらず、ワールドワイドモデルが多いUltrabookではどうしてもスルーされがちなことは理解しているし、モバイルルーターの普及もあって、そこまで致命的な話ではなくなっているのもまた事実。だが、こういう機器だけに、内蔵されていればやはりプラスだと考える。

お勧めする人
・低価格でバッテリー動作時間の長いノートパソコンが欲しい人
・薄さと独自性の高いデザインを求める人
XPS 13(スタンダード) の主な仕様
CPU Core i5-2467M(1.60GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス CPU内蔵
ディスプレー 13.3型ワイド 1366×768ドット
ストレージ SSD 128GB
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 3.0
インターフェース USB 3.0×1、USB 2.0×1、mini DisplayPort出力など
サイズ 幅316×奥行き205×高さ6~18mm
質量 約1.36kg
バッテリー駆動時間 約8時間53分
OS Windows 7 Home Premium SP1 64bit版
価格 8万9980円から
■Amazon.co.jpで購入

筆者紹介─西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「iPad vs.キンドル」(エンターブレイン)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新聞出版)、「知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?」(共著、徳間書店)。「電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「災害時ケータイ&ネット活用BOOK」(共著、朝日新聞出版)、「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(エンターブレイン)、「リアルタイムレポート デジタル教科書のゆくえ」(TAC出版)。最新刊は「スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場」(4月10日発売予定、アスキー・メディアワークス)

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