SSDのパフォーマンスが価値につながる
ディスプレー性能向上はWindows 8待ちか?
性能面もみていこう。プロセッサーなどの構成は、Ultrabookとしては標準的なもの。今回試用したスタンダードモデルはCore i5-2467M(2.30GHz)を、最上位のプラチナモデルではCore i7-2637M(2.80GHz)を採用している。Windowsインデックスエクスペリエンスは「5.7」。値としても、おおむね他社のUltrabookと変わりない。
だが注目しておきたいのは、プライマリーHDDの値が「7.9」と高くなっている点だ。これは、XPS 13が競合となるUltrabookよりも、スペックの高いSSDを採用しているためであるようだ。これは動作速度の快適さはもちろん、起動速度の高速化など、さまざまな部分に効いてくる。
秋島「Ultrabookの狙いは、必ずしも『モバイル』だけではありません。起動がすばやくて手軽に扱える、という点を目指しています。そのための工夫を重視している製品です。SSDのほかにも、無線LAN接続を素早く復帰させる「Intel Smart Connectテクノロジー」など、素早く使えるようにする機能の搭載で工夫を凝らしました。蓋を開けてすぐメールやスケジューラーが使える、というのは、やはりUltrabookの強みだと考えています」
秋島「他方で、SSDを128GBと256GBの2モデルを用意している点にも、実はここが関わってきています。ようは“1台目”需要の方と“2台目”以降の方による、需要の違いなのですが……」
秋島「Ultrabookで起動を高速化する『Intel Rapid Startテクノロジー』は、高速起動を実現する一方で、SSDの中に相当の領域を確保します。これは弊社だけではないですが、ストレージのスペック表記よりも、30GBくらい取られて使用可能容量が減ってしまうのです。パソコンを2台以上もっている、すなわちXPS 13がメインマシンではない場合なら、インストールするアプリケーションや扱うデータ量を考えても128GBで大丈夫でしょうが、1台持ちのメイン機として使う場合、256GBは必要だろう、という判断で用意しました」
性能という点では、ディスプレーの方も気になる。ベゼルが狭く、ボディーデザインの割に画面サイズが大きく感じるのはいい。だが、ちょっとコントラストが浅く、視野角も狭い。もう一声性能を上げてもらいたかった。また、13.3型サイズで解像度は1366×768ドットとなっており、これより上の解像度は用意されていない。
秋島「(高解像度パネルに対する)ご要望の認識はあります。一方で、はやくお客様に製品をお届けするという観点で、現在の仕様になりました。お客様の用途としては、現状の解像度でおおむね満たせると思っています。タイミング的なことを言えば、Windows 7の間はこのままでも大丈夫、と考えています。Windows 8になってOSの準備も進み、パネルの価格差も下がってきたところで準備しよう……と考えているところです」
バッテリーで8時間近く動作!
発熱は若干大きめ
バッテリー動作時間はかなり優秀である。バッテリーテストツール「BBench」によるテストでは、最長7時間49分となった。これは、デル側の公称値である約8.88時間に近い。他社のように誤差の大きな「JEITA 1.0 測定法」準拠ではないことと、搭載されているバッテリー容量が多めになっているためだろう。これだけの持続時間なら、1.3kg台という重量も許容できる。
BBenchによるバッテリー駆動時間テスト | |
---|---|
高パフォーマンス設定 | DELL設定 |
約6時間40分 | 約7時間49分 |
他方で最近増えてきたように、バッテリーは取り外せない構造になっている。
秋島「重さ・厚さがそのままで実現できるなら、取り外せるにこしたことはないでしょう。しかし、一体型のほうが価値を出しやすい。プライオリティーとしては、内蔵型にしてでも『薄さ・軽さ』に対する要求仕様を実現する、という方向で考えました。バッテリーを2つ持ち歩くなら、ACアダプターを持ち歩いた方がいいだろう、という考えもあります」
なお、ACアダプターはそう大きくないが、ケーブルが太くかさばるのが気になる。この部分はなにか工夫を凝らしてほしかった。
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