今回はデルのUltrabook「XPS 13」を採り上げる。「遅れてやってきたUltrabook」という印象もあるが、それだけに、ルックスもかなり独特だ。XPS 13はどのようなポイントを狙って作られ、どのくらいの実力を持っているのだろうか?
今回はいつものインプレッションに加えて、同社マーケティング本部 コンシューマー&SMBブランド チームマネージャーの秋島健一氏へのインタビューをお届けする。テストとインタビューの双方から、XPS 13から見える「デルがUltrabookで狙うもの」を考えてみたい。
個人向け市場を強く重視
13型でも小さく見えるボディー設計が魅力
XPS 13はその名前のとおり、13.3型ディスプレーパネルを使ったUltrabookだ。だがボディー全体のサイズは、他社の13.3型採用製品よりも一回り小さい。ディスプレーのカバーパネルには、強度の高いコーニング社の「Gollira Glass」を採用。ボディー側素材にはカーボンファイバーを使うことで、テクスチャー感が高く、薄型小型化に寄与している。薄さ以上に、ディスプレー周囲のベゼルを小さくして、ぎゅっと凝縮感を高めているところがやはり魅力だろう。
とはいうものの、XPS 13が11型クラスの製品ほど軽いわけではない。重さは約1.36kg(最小時)だから、13型クラスとしては標準的なところに収まっている。「小さく・軽く」が注目されるモバイルノートとして、ここは無理をしていない印象だ。
一見してコンパクトだが、ディスプレーサイズなどでは妥協しない。こういう方針は、デル側の市場分析によるものだ。
秋島氏(以下敬称略)「お客様が(XPS 13と)比較される製品としては、やはりMacBook Airの13型モデルや、他社のUltrabookとなるでしょう。もちろんタブレットなどの影響もあります。そのためこのジャンルの製品は、明確に『外で情報にアクセスするツール』『入力するツール』になっています。すなわち、『なにがなんでもモビリティー重視』というよりも、入出力のしやすさが重要視されています。ですから、キーのたわみのなさなどについては、かなり重視しています」
秋島「現状では、Ultrabookはほぼモバイルノートと認識されていますが、やはりメインマシンとして使える製品、ということが求められています。とすると、XPS 13のような形状が求められているのだと思います」
キーボードはアイソレーションタイプで、多少ストロークの浅さが気になるものの、タイプ音は小さめでたわみもない。サイズの問題からか、Enterキーが小さめになっているのが好みには合わないが、Ultrabookの中では悪くない。
タッチパッドは広めで、最近流行のボタン一体型だ。二本指・三本指でのマルチタッチにも対応しているが、この動きがWindows機としてはなかなかいい。ただし、キータッチ時に誤動作しやすいのは、設定でいろいろ調整できるとはいえ、気になった部分ではある。
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