3月28日、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とグループ会社の米Verio(ヴェリオ)は、新たなパブリッククラウドサービス「Cloudn」(クラウド・エヌ、「Cloud(n)」とも表記)を、3月30日より提供すると発表した。多くのAPIを備えた拡張性の高いパブリッククラウドサービスで、従量制課金だが一定金額以上は課金されないキャップ制の採用が特徴だ。
Cloudnは、従来から提供しているクラウドサービス「Bizホスティング」とは異なる新たなパブリッククラウドで、ソフトウェア開発者やグローバルに展開をするコンテンツプロバイダーを対象とする。3月30日に始まるのは米国データセンターでの提供で、2012年6月には日本データセンターでの提供を開始予定。これにより、グローバルディザスタリカバリーも可能となる。
Cloudnの最大の特徴が、「月額上限料金」の設定だ。ベースは1時間あたり1.995円などの従量制課金だが、プランごとに毎月の上限料金が設定されており、支払いが青天井になる心配がない。仮想CPUが0.25で512MBメモリの「プランvQ」であれば、最大945円の課金で利用可能だ(オプション料金は含まず)。
APIはAmazon互換を含む約150種類が用意されており、簡単で迅速なアプリケーション開発が行えるとともに、APIを利用した運用自動化による大幅なコストダウンが可能だという。管理用にはWebベースのコントロールパネルが用意されており、必要なリソースを即時に利用可能としたり、リソースのスケールアップやダウンなど必要なICT環境やインフラ基盤を簡単・速やかに実現するという。
4月には、クラウド上の仮想サーバーへのトラフィックやCPUの使用率を監視し、ユーザーアクセスなどの負荷に応じて、自動で仮想サーバーの数を追加・削除させる「オートスケール機能」を追加。加えて、7月にCDN(Contents Delivery Network)との連携、10月には大容量のデータ保存を実現するオブジェクトベースのストレージ機能を逐次追加する予定だ。
また、Cloudn上で動作するアプリケーション実行環境のアウトソースが可能なPaaSの提供も計画しており、7月にはトライアルサービスを開始する。その後もハイブリッドクラウドや仮想ネットワークとの連携機能などを強化して、ユーザーのビジネスに応じた迅速かつ柔軟なICT環境の構築を支援していくという。
