3月28日、アカマイ・テクノロジーズ(以下、アカマイ)とソフトバンクテレコムは、日本初の「ネットアライアンス・パートナー制度」に基づく提携を発表した。今回の提携により、ホワイトクラウドのメニューからアカマイのサービスを利用できるようになる。
エンタープライズでの売り上げ増を見込む
発表会では、米アカマイ・テクノロジーズの社長兼最高経営責任者であるポール・セーガン氏が、最新のビジネス動向とソフトバンクの提携について説明した。
セーガン氏は、「インターネットの在り方自体を変えるべく」15年前に産声を上げたアカマイが、企業動向やトレンドにあわせて、ビジネスを変遷させてきたことをアピール。常時接続が前提の昨今においては、「モバイル」「クラウド」「メディア配信」「セキュリティ」の4つが重要になると指摘した。
こうした中、場所やデバイスを問わず同じエクスペリエンスを提供できるようにするのが、アカマイのヴィジョンだ。現在、同社は世界71カ国・地域750都市に設置された10万台以上のサーバーによって、独自のコンテンツ配信プラットフォーム(CDN)を提供。このインフラをベースに同社はメディア配信だけではなく、クラウドとの統合やセキュリティなど幅広いソリューションを提供している。
顧客もメディア配信企業からエンタープライズにシフトしつつあり、すでに6割がエンタープライズの売り上げになっている。「(メディア配信向けの)サイトアクセラレーターのみだった初期とは異なっており、幅広い製品が統合されたプラットフォーム上で提供されている」(セーガン氏)とのことで、進化を続けている。CDNという事業の特殊性から当初は直販がほとんどだったが、「クラウド時代になり、アカマイのソリューションがエンドユーザーの理解を得られるようになってきた」(セーガン氏)とのことで、現状2割にとどまるパートナー経由の販売比率をより向上させる計画だという。
今回のアカマイとソフトバンクテレコムとの提携もこうしたエンタープライズ分野での売り上げ増大を意識したもので、Webやアプリケーション配信、セキュリティなどのサービスをソフトバンクテレコムのホワイトクラウドのオプションメニューから利用できるようになる。サービスの詳細は、ソフトバンクテレコムから後日発表されるとのこと。セーガン氏は、日本での展開について、「日本企業のグローバル化を支援しようという意図がある」と述べ、特にこの10年実績を積んできたセキュリティサービスは、すべてのエンタープライズユーザーに必須のサービスとアピールした。
