操作は昔ながらのボタン
音楽のプレイバック時には、カセットテープの時代から変わらないカーソルキーや赤い選択ボタン、リターンキーを操作して再生や一時停止、早送りなどを行なう。そして、ITリテラシーのあるユーザーなら簡単に理解できると思うが、選曲やアルバム間移動には、同じカーソルキーと赤い選択ボタン、リターンキーがディレクトリー間移動のキーとして動作する。
音楽のプレイバック時には、大きな液晶はアナログ的な横型VUメーターもどきとなってユーザーの目を楽しませてくれる。液晶画面上を指先でなぞって音量調整することが当たり前の時代に、c4は本体操作パネル面右端の“大型スライド式フェーダー”で音量操作を行なう。クラシカルな操作系には興味のない人も多いだろうが、筆者がc4を衝動買いした理由の1つは、このアナログな操作系が大きな魅力であったことも事実だ。
今回、筆者はオーディオ・イヤフォンとして、ちょっと古いShure社のE500PTHや、ソニーの最新・密閉型インナーイヤーレシーバー XBA-4SLを使用したが、多少大袈裟でも本来ならオープンエアのビッグサイズのヘッドフォンを併用したいと思っている。現在、c4に最適なヘッドフォンを毎日物色中だ。
c4で再生可能な音楽ファイルはMP3、WAV、APE、FLACの4種類だ。筆者は非圧縮のWAVファイルでリッピングしたオーディオCDを聴いている。圧縮されたMP3のファイルと比較して約10倍ほど容量を食ってしまうが、c4には本体メモリーに標準32GB 、外部のmicroSDカードにも同じく最大32GBの大容量が保証されている。膨大な音楽DBを常時保持するのでもない限り、microSDカードの価格低下が著しい昨今なら、音質を優先して非圧縮ファイルのWAVでも元は取れるだろう。
操作パネル上のSRC(Sampling Rate Converter)スイッチ・オンで、16ビット/44.1kHzでリッピングされたCD音楽を、より高い24ビット/88.2kHzや、最大値の24ビット192kHzのサンプリングレートにアップコンバートすることで、ノイズが軽減したり、より音がクリアになるケースもある。また高性能チップを搭載したDACの存在も頼もしい。オーディオ・ソースや使用するイヤフォンの特性、各自の耳の構造や性能、組み合わせで一概には言えないが、いろいろ試して見ることができるのもc4の大きな特長だ。
得体のしれない“オーディオ的ナチュラル”という言葉に左右されないなら、積極的にこれらの機能を前向きに使って、音楽を自分の好きなサウンド処理で聴いてみることもc4を使う大きなメリットだろう。最後に、c4は持ち歩くときにも便利なスリップ・イン方式の専用革ケースが付属している。厚手の黒い革に赤いステッチがなかなかオシャレだ。タイトな革ケースにc4を押しこむときに音量調整のフェーダーのスライダースイッチが触れないように考えられた構造も秀逸だ。
右を見ても左を見てもiPodとiPhoneの時代で、「COLORFLY Pocket HiFi c4 Pro」は、ともすれば、眉間にシワを寄せてオーディオの小うるさいウンチクを傾けるマニアにだけに支持されて一生を終えそうな商品だが、ウンチクや理屈はさておき、ポジティブに音楽を楽しみたい方にも気楽に使って欲しいデジタルオーディオプレーヤーの雄だ。人とかぶることが最小で、最高の音質を望む音楽愛好家にはぴったりのウルトラ個性的商品だ。
今回の衝動買い
アイテム:Colorful Technplogy&Development社「Colorful ColorFly Pocket HiFi c4 Pro」
価格:イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」秋葉原店にて7万4800円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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