西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第87回

薄型化と価値向上を両立 第4世代レッツノート SX1の実力は？

SX1と付属するACアダプターやバッテリー一式を並べて。2本のバッテリーを標準搭載したノートが今までになかったわけではないが、SX1という商品にはうまくはまっている

　レッツノートの伝統である、バッテリー駆動時間についても優秀さは維持されている。駆動時間の数値としては後述するとして、なにより商品企画上の工夫が上手い。

　SX1には、軽量化重視の「軽量バッテリーパック(S)」と、倍の容量がある駆動時間重視の「標準バッテリーパック(L)」の2種類が付属する。さらにACアダプターも「標準ACアダプター」と「ミニACアダプター」の2種類が付属する。前者はどんなシーンでも充電できる代わりにかさばる上に重く、後者は休止・停止時(すなわち、動作していない時間)だけ充電できるが小さく軽い。

写真左が標準バッテリーパック(L)で、右が軽量バッテリーパック(S)

付属のACアダプター一式。左がミニACアダプターとウォールマウントプラグで、中央が標準ACアダプター。なおウォールマウントプラグは、ミニACアダプターにしか接続できない

それぞれのバッテリーを装着した状態の背面。左が軽量、右が標準を装着した状態である。標準は後ろに大きく出っ張るのがわかる

バッテリーを装着した状態の背面。バッテリーパックは本体底面の下に空間を開けるスタンドにもなっている

　正直、多くのパソコンではミニACアダプター的な使い方は難しいと思うが、標準バッテリーパック(L)のように長時間動作する環境が用意されているレッツノートの場合なら、確かに使いようはある。

　今回はテスト時間の制約もあり、軽量バッテリーパック(S)でのみバッテリー動作テストを行った。バッテリー駆動時間テストツール「BBench」による計測では、最長で4時間10分の動作となった。カタログ上のJEITA1.0計測値が「8時間」となっているので、おおむね納得できる範囲だ。標準バッテリーパック(L)はちょうど倍の容量なので、駆動時間も倍と考えていい。標準バッテリーパック(L)なら1日の稼働に十分耐えるし、バッテリー動作は移動中だけならば、軽量バッテリーパック(S)でも十分だ。バッテリー駆動に対する信頼性は、SX1になっても変わっていない。

BBenchによるバッテリー駆動時間テスト(軽量)
プレゼンテーション設定	省電力設定
約2時間53分	約4時間10分