パナソニックのレッツノートシリーズが、久々にフルモデルチェンジした。今回試用した「Let'snote SX1」(CF-SX1GEADR、以下SX1)は、その中でも光学ドライブを搭載した主力モデルである。
デザイン変更にともない、薄型化されたこのモデルの使い勝手をチェックしてみよう。レッツノートの伝統は新モデルでも生きているのだろうか? 大幅に変化した「第4世代レッツノート」の実力はいかに。
ボンネットデザインを変更し、大幅に薄型化
レッツノートといえば、軽量・長時間駆動・頑丈の3拍子がウリである。他方でそれを維持するためか、ボディーデザインの大きな変更をともなうモデルチェンジは、長らく行なわれていなかった。2010年に登場した新ラインナップの「Jシリーズ」は、「ジャケット装着」という新しいスタイルを提案。まったく異なるデザインで戦っているが、どうも既存のレッツノートを支持する層には合わなかったようだ。別の層が購入していた印象があるし(これは狙いどおりでもある)、特に男性の場合、ジャケットを外して使っている人も見かけられた。やはり、レッツノートの主力ラインで、“現在のニーズ”に合った製品が必要だったのだろう。
現在のニーズとは、ずばり「薄型化」だ。レッツノートは頑丈さを実現するため、天板に空間を多用する「ボンネット構造」を採用している。「デコボコしているからこそ壊れない」という考え方であるだけに、薄型化には不利な構造といえた。
今回の「レッツノート第4世代」へのリニューアルにともなうデザイン変更で、手が入ったのはこの「ボンネット構造」の部分である。といっても、ボンネット構造がなくなったわけではない。天板のボンネット構造用の凹凸が薄くなり、液晶部だけでも約2.7mm、本体側まで合わせると全体で約11.2mmの薄型化となっている。
といっても、Ultrabookに代表される昨今の「超薄型」ノートに比べると、SX1はそれほど薄いわけではない(高さは25.4~31.5mm)。だが、これまでと同様の堅牢さを維持していることと、UltrabookよりもパワフルなCPUであるCore i5-2540M(2.60GHz)を搭載していることを思えば、同列に比較するのはフェアとは言えないだろう。軽量バッテリーパック(S)搭載時で約1.13kgという軽さでありながら、確実に「堅牢である」印象を受けるデザインであるのは、やはりレッツノートの美点といえるだろう。
また、今回のデザイン変更でもうひとつ評価しておきたいのは、底面の吸気・放熱穴が減り、デコボコした形状からスマートで平らなものに変わっている、という点だ。ビス穴などはたくさんあるので「美しい」とはいえないが、あきらかに完成度が上がった印象を受ける。
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