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博士曰く、「俺の嫁」は4次元の存在だった!?

「マスエフェクト 3」が3月15日に発売だから博士に宇宙を聞いてみた!

2012年03月09日 19時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

驚愕! 「俺の嫁」は4次元の存在!?

―― そういえば、存在して当たり前だと思っている重力もよくわかってないんですよね。

藤本 「そうです。宇宙には4つの力があります。4つの力しかないと言ってもよいかもしれません。素粒子に主に関連するのは、“電磁気力”“弱い力”“強い力”でしたが、4つ目は“重力”です。そして素粒子に働く3つの力には、それぞれに相当する素粒子が確認されていますが、重力に関しては、それに相当する素粒子――“重力子”の存在が確認できていません」

―― 先ほど5次元の存在云々という話が出てきましたが、2次元好きなオイラたちからすると夢の世界なんでしょうか?

藤本 「いま我々がいる世界は4次元です。アリバイという形で説明すると、縦、横、高さの空間上の位置と、時間を指定すれば成立します」

 ―― ……もしかして、2次元って本当は3次元なんですか!!

藤本 「3Dモデルの場合は3次元……ですが、平面空間なので……いわゆる2次元でも時間経過するゲームもありますよね、ポスターでも縦、横、高さの空間上の位置がありますから4次元でしょう……」

―― じゃあ、俺の嫁であるところのホ●ノ・ルリはッ!!(編註:イラストとフィギュアを突きつけていました)

藤本 「フィギュアは4次元。素材が経年劣化しますよね。イラストは……心の中で平面かつ時間は動かないとしておけば、もう2次元でよいと思います」

大人の事情でモザイクだが、オレの嫁。4次元にいるオレの嫁、同じ次元にいるよ!! あとは魂が宿れば……!!

―― もろもろ認めれば、もう同じ次元にいるということ……!!

藤本 「よかったですね。さて、素粒子の世界では『5番目の位置を指定しないとアリバイが特定できない』と考えることで、重力がなぜそんなに他の力に比べて極端に弱いのかという質問に答えられるかもしれないとの考えがあります。

 この5番目の位置の指定の空間が5次元です。実験で検証できなければ、それはただの奇抜なアイデアで終わってしまいますが、エネルギーがどこかに雲散霧消してしまう現象が見つかれば、それが5次元の世界へのエネルギー離脱なのかもしれません」

―― 重力が逃げている次元が見えないけどあるかもというわけですか。逆にそれを制御できれば、空中に浮くクルマができるかも?

藤本 「車輪からの脱却ができるかもしれませんし、いわゆる重力制御が実現するきっかけになるかもしれません。いわゆるUFOが――あれは法則を無視したような飛び方をしていますが――仮に存在したとしても、自然の法則からは抜け出せません。

 ということは、いままで正しいと思っていた法則が、もっと広い可能性をもった法則の一部でしかなかった、要するにUFOの設計者のほうがより深く、宇宙の法則を熟知していることになります。ですから日本で、その宇宙の法則を解明できることは素晴らしいことなんです」

残念! ワープ航法は不可能だった

―― 宇宙の法則は乱れない……ということですか。では、5次元の世界へエネルギーが逃げていくとすると、それを利用してワープみたいなことが可能になるんでしょうか?

藤本 「とても鋭いご指摘です。5次元以上の世界を想定する考えはいろいろとあるのですが、そのひとりが、リサ・ランドールさんで、彼女の有名な著書の題名が『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』でした。“ワープ”がここで確かにからんできます。ところが、リサさんの“ワープ”とは、時空の歪みの意味で、宇宙戦艦ヤマト以来、使われている“ワープ航法”とは別の意味です」

―― 違うんですか。ワープは紙の両端に点を描いて、折り曲げると距離が超近い! すぐ行ける! というイメージをもっていましたが。

いわゆるワープ航法のイメージ図(超簡略版)

藤本 「正確にはヤマトの“ワープ航法”も、時空に歪みをもたらすことで、遠方の点を近くに引き寄せて瞬時に移動する航法なので、ワープはやはり“時空の歪み”として単語が使われていました。しかし、ワープ航法のワープのみがひとり歩きしてしまい、ワープが瞬間移動の航法そのものを指す単語のようなイメージが定着しています。

 残念なことに、今の物理学では5次元があったからといって、ワープ航法ができるようになることはありません。5次元の中の移動の自由度があるだけで、通常の4次元の位置は固定されているからです」

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