製品版が待ちきれない! Windows 8 Consumer Preview特集 第3回
Metroアプリを動かすWindows 8の新環境 WinRTの秘密
2012年03月06日 12時00分更新
重要なのは、Metroスタイルアプリケーションは、「終了」コマンドがないことだ(ユーザーがアプリケーションを終了させることは可能)。Metroスタイルアプリケーションを起動し、動作がバックグラウンドになると、OSの必要に応じてMetroスタイルアプリケーションは勝手に終了される。
つまりMetroスタイルアプリケーションの開発者は、アプリケーションがフォアグランドにあるうちに、データや設定を明示的に保存しておく必要がある。Metroスタイルアプリケーションが終了されるタイミングは、新しいMetroスタイルアプリケーションが起動する際に、メモリーが不足したときなどとされている。
ウェブデザイナーも
Metroスタイルアプリケーションが開発できる
WinRTでMetroスタイルアプリケーションを開発するには、「XAMLとC/C++」「XAMLとC#/Visual Basic」「HTML5/CSSとJavaScript」といった、UI作成とプログラミング言語の組み合わせが用意されている。
特に注目なのは、HTML5/CSSとJavaScriptの組み合わせだろう。これらを使えば今までのプログラミングよりも簡単に、Metroスタイルアプリケーションが作成可能になる。多くのウェブデザイナーが持っているスキルを使って、新しいMetroスタイルアプリケーションが作成できる。このことは、Metroスタイルアプリケーションの裾野を大きく広げることになる。これはかつてプログラミングが容易なVisual Basicを提供することで、Windows対応のアプリケーションが増えていったのと、似たような効果があるかもしれない。
HTML5/CSSとJavaScriptの組み合わせではスピードや機能が不足する場合は、XAMLとC/C++といったほかの組み合わせを利用することで、プログラミングの難易度は上がるものの、性能や機能の要求を満たしたアプリケーションを作れる。簡単なゲームなら、HTML5/CSSとJavaScriptでも開発できる。ノウハウさえ積めば、リアルタイムの3Dゲームでさえ、Metroスタイルアプリケーションで実現可能だろう。
マイクロソフトは明言していないが、次世代のスマートフォン用OS「Windows Phone 8」(開発コード名 Apollo)でも、Windows 8のカーネルとWinRTを採用しようとしているそうだ。もしWP8とWindows 8が同じインフラになれば、画面解像度さえ注意すれば、パソコンでもタブレットでも、スマートフォンでも動作するMetroスタイルアプリケーションが実現可能になるだろう。

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