Q6 32bit版はまだあるの?
Windows 8には32bit版(x86版)と64bit版(x64版)の2つのバージョンが用意されている。利用できるメモリー容量が異なる点も、Windows 7と同様だ。
Windows 8の最大メモリー容量に関しては、まだ発表されていない。Windows 7では、32bit版は最大4GB、64bit版は192GB(Home Premiumでは16GB)となっていた。32bit版がハードウェアの仕様上4GB以上は利用できない点は変わらないし、64bit版に関しても、ほぼWindows 7と同じになるのではと考えられる。
ちなみにWindows 8では、OS自身が使用するメモリーを、Windows 7よりも削減するよう改良されている。これにより、32bit版でも軽快な動作ができるようになっているという。しかし、今やほとんどCPUが64bit環境をサポートし、メモリーも低価格化していることを考えれば、32bit版を選択する必然性はあまりないだろう。一方で、タブレット端末のようなハードウェアの限定された環境では、32bit版を使う理由はある。
なお、Windows 8で採用された仮想化システムのHyper-Vは、64bit版OSでしか動作しない。
Q7 ARM版のWindows 8って何が違うの?
Windows 8では、インテル/AMDのx86/x64アーキテクチャーに対応するCPU以外に、ARMアーキテクチャーのCPUをサポートする。マイクロソフトではこれを、「Windows On ARM」(WOA)と呼んでいる。
ARM版Windows 8はインテル/AMD向けのWindows 8とは異なり、OSだけのパッケージは販売されないという。あくまでハードウェアにプリインストールされた状態で、ARM版Windows 8は提供される予定だ。
ARM版Windows 8を搭載する製品は、当面はiPadやAndroidタブレットがライバルと考えられている。そのためARM版Windows 8搭載のデスクトップパソコンが、ただちに登場することはなさそうだ。パソコンメーカーによっては、シンプルなタブレットだけでなく、タブレットにキーボードが合体したASUSTeKの「Eee Pad Slider SL101」のような製品も計画されているという。
ARM版Windows 8でも、Metroスタイルとデスクトップの両環境がサポートされる。しかし、x86/x64 CPUのエミュレーション機能はない。そのため既存のWindowsアプリケーションを動かすことはできない。また、サードパーティが開発できるARM版Windows 8向けのアプリケーションは、Metroスタイルアプリケーションのみに限定される。
HTML5やJavaScriptで開発されたMetroスタイルアプリケーションは、x86/x64版とARM版の両環境で動作するだろう。またVisual BasicやC#、CやC++などで開発されたMetroスタイルアプリケーションも、少しの変更で両環境で動作する予定だ。
ARM版Windows 8には、2012年にリリースが予定されているARM対応「Office 15」(Word、Excel、PowerPoint、OneNote)がバンドルされる予定だ。ARM版のOffice15は単にx86/x64版の移植ではなく、省電力化が行なわれてARM版Windows 8向けに最適化されたアプリケーションとなる。
なおWindows 8 CPのリリースと同時に、ARM版Windows 8が限定された開発者に対して、ハードウェアとセットで提供されている。一方で、一般ユーザーが実際に試せるのは、ARM版Windows 8を搭載したタブレット製品が実際に発売されるときになるだろう。
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