夜の街もきれいに撮れるカメラはどれ?
夜間の街並みの撮影にも挑戦してみた。シチュエーションは街のネオンが映った川で、周囲に街灯があまりない比較的暗い場所だ。
キヤノンのHF-M52は、暗く沈んだ水面やネオンの鮮やかな光もしっかりと撮影できている。暗部のノイズ感も比較的少なめで、低照度撮影でもなかなか見通しがよい映像となっている。強いて言えば、色温度がやや低めになる傾向が顕著になり、重たい印象になっている。
パナソニックのHC-X900Mの場合、夜の川岸を映したシーンでは、多少ノイズ感は出てしまうものの、暗いビルなどの色がきちんと描かれ、かなり色の豊かな再現になっている。
JVCケンウッドのGZ-G5は、ネオンのピンクやブルーの色彩は明るく鮮やかで、ネオンに照らされた水面のゆらめきなどもクリアに再現した。ただし、暗部はノイズこそ少ないが全体に潰れ気味で見通しはよくない印象だ。
それぞれの映像に違いはあるが、圧倒的な差とは言いにくいレベル。見た目に近い夜の雰囲気という点ではキヤノンが好ましいが、色温度が低めで明るい光が全体に黄色っぽくなる傾向のある点が気になった。
真っ暗な部屋でスマホの画面だけが光る……
そんなシチュエーションでも撮れる?
最後は低照度撮影の実力を確かめてみた。完全な暗室に12色のカラーペンを置き、スマホの画面の明かり(バックが黒のアプリ一覧画面)だけで撮影をする、という過酷なテストだ。
キヤノンのHF-M52はかなりの実力を発揮し、暗めの映像ながらも各色の色がきちんと出ていた。これは大きな撮像素子のメリットが出ている部分だろう。
パナソニックのHC-X900Mもかなり暗くなってはしまうものの、色の違いなどはよく再現できていた。色の出にくい下の方のペン軸部分もなんとか色がわかる。
JVCケンウッドのGZ-G5は、全体的に暗く潰れた印象になってしまい、色の判別もしにくいと感じた。過酷なテストではあるが、高感度という点ではライバルに差をつけられた印象。
ここでは、もっとも暗部の色をはっきりと再現したキヤノンがNo.1。ここまで極端な環境はともかく、暗めの場所でも暗部までしっかりと捉えることができそうだ。
この連載の記事
-
第3回
AV
無線LAN内蔵ビデオカメラはスマホの「トモダチ」なのか!? -
第2回
AV
今やズームは50倍超! 侮れないコンパクトモデルの実力 -
AV
「まるでロケ番組」のような行楽風景が撮れる進化した最新ビデオカメラたち - この連載の一覧へ