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「まるでロケ番組」のような行楽風景が撮れる進化した最新ビデオカメラたち 第1回

ブラリ街歩きに最適なビデオカメラはこれだ!!

2012年03月05日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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街中を歩き撮りして手ブレ補正を検証

 今回は首都圏内をぶらぶら散歩しながら、ロケーションのよさそうな場所を見つけては歩き撮り撮影を行なうといった要領で取材を進めていった。「世界●●●●街歩き」といったイメージだ。

 撮影モードはすべてオートとし、画質モードも最高で1080/60p撮影が可能なモデルでは、1080/60pで撮影するようにしている。

 この1080/60p撮影ができるのは、ソニー、パナソニック、JVCケンウッドで、ミドルレンジモデルでの検証となるキヤノンだけが非対応。1080/60p動画の記録や再生は昨年夏にAVCHD 2.0規格が決まり、対応したBDレコーダーも登場しはじめているが、まだ万全な対応状況とはなっていないので、いち早く試してみたものの、常用するには時期尚早という気もする。

 対応していないBDレコーダーでは動画取り込みが行なえないことがあり、また、記録するディスクもBDのみに限られるなど、少々制限がある。

 さらに、フルHDの60コマ動画はPC再生でもかなり負担が大きく、かなりハイスペックPCでないと正常に再生できない可能性がある。ちなみに筆者が仕事で使っているiMacでは、1080/60pの再生や取り込みもできない状態だ。

 このため、歩き撮り撮影をした動画はAVCHD2.0規格に対応したソニーのBDレコ「BDZ-AX2700T」で編集し、安定した再生のために転送レートもやや落として再エンコードしたものとしている。そのため、1080/60pモードで撮影した動画としてはやや画質劣化が生じていることをあらかじめお断りしておく。

シーンに合わせて手ブレ補正が自動で切り替わる
「マルチシーンIS」搭載のキヤノン

 キヤノンは、手ブレ補正機能が3つあり、手ブレ補正OFFを含めた4モードを撮影条件に合わせて自動で切り替える「マルチシーンIS」を採用する。

 歩き撮りなどの大きな揺れを抑える「ダイナミックIS」、望遠時の大きなブレを補正する「パワードIS」、マクロ撮影時の手ブレ用「マクロIS」の3モードのほか、三脚撮影時は自動で手ブレ補正がOFFになるという具合だ。撮影条件の検知も良好で、画面メニューでもモードが素早く切り替わっていることが確認できた。

キヤノン「HF M52」で街歩き




 歩き撮りをしたシチュエーションは、合計4パターン。時代を感じさせる古い建物を横に見ながら歩く映像、レンガの建物のそばをまっすぐ歩いたもの、沿岸部の木造の歩道、夜の街を歩いたものだ。

 HF M52での歩き撮りでは、ダイナミックISの効果により歩き撮りで目立ちやすい上下のゆっくりとした動きはよく抑えられているのだが、特に最初の横を向きながら歩いた場面で、手首の回転によるゆらゆらとした揺れが目立った。

 比較的安定感のある映像と言えるのだが、残念ながらライバルに比べると少々差を感じる結果となった。

5軸のブレ検出により
安定感のある映像が撮れるパナソニック

 パナソニックの手ブレ補正は、上下左右の揺れのほか、縦回転、横回転、手首のぐらつきに伴う回転軸のブレを高精度に検知し、補正レンズによる光学式と電子式の手ブレ補正を組み合わせて手ブレを抑制する機能を持つ。もちろん、歩き撮りだけでなく、ズーム時には細かく速いブレも検出し、最適に手ブレを補正する機能も備えている。

パナソニック「X900M」で街歩き




 HC-X900Mでの歩き撮りしてみると、比較的安定感の高い映像になっているが、横を向きながらの撮影などでは上下の揺れが生じた。

 特に厳しかったのは冒頭部分の横を向きながら歩いて撮った映像。前方の確認がおろそかになりがちで、スムーズには歩けていないせいもあるが、ちょっとつまづいたと思われる急な動きが抑えきれず、ややギクシャクとした印象もある。

 手ブレ補正は各社とも年々進化しており、上下左右のブレはほぼ気にならないレベルになった。そのせいで、それ以外の回転ブレが余計に目に付きやすいし、手首の回転ブレは思った以上に不安定な印象を伴うこともわかる。

 パナソニックはそうした不自然な手ブレがトータルで抑えられており、歩いている雰囲気も残しつつ安定した映像だと感じた。 

「パワーアクティブモード」で
ズーム時の手ブレも強力に補正するEverio

 JVCケンウッドのGZ-G5は、補正エリアを従来のアクティブモードよりも約3.5倍拡大する「パワーアクティブモード」を搭載。カメラ上部のボタンを使って、補正量を2段階まで強めることもできる。

 ただし、パワーアクティブモードに切り替えると、補正エリアが大きくなるため画角がやや狭くなる。実用上の差はほとんどないと思えるが、気になる場合は好みで使い分けた方がいいだろう。他社では自動切り替えとなっているが、画角の変化があるためユーザーが能動的に切り替える仕様になっていると思われる。

GZ-G5で街歩き




 GZ-G5はパワーアクティブモードで補正量を「最大」にして撮影。上下左右のブレ感は安定しているのだが、そのせいで回転方向のブレが残っていることに気付きやすいと感じた。特に画面が上下にふわふわと揺れた感じになっており、多少不安定感がある。

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