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富士通開発陣が明かす“匠の技”――「ARROWS Tab Wi-Fi」を探る(後編) (2/3)

2012年03月07日 18時30分更新

文● 日高 彰

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メーカーとしてこだわり甲斐のある製品

――ディスプレーの液晶パネルなど、使われているデバイス自体は何か特別な仕様のものなのですか?

吉澤: 液晶自体は特殊なものではないのですが、タッチ操作のしやすさ、なめらかさには注力しており、タッチパネルは高感度のデバイスを用いています。画面表示が指に吸い付くような操作感を得られるよう、タッチの認識精度を上げるため内部のソフトウェアにはかなり手を入れていますし、できるだけ描画のフレームレートも高めています。

――「ソフトウェアに手を入れる」ということですが、標準化が非常に進んでいるパソコンの世界だと、同じCPUやOSを搭載している製品なら、メーカーが違っても性能自体はそれほど大きく変わらないと思います。しかし、Androidの場合はハードウェアのスペックが同程度であっても、操作に対する反応の機敏さ、画面描画のなめらかさなどは、機種によってまだかなり差があるように感じられます。

吉澤: ユーザーの皆さんは、Android端末の性能をいわば“サクサク”度合いで判断されると思うのですが、同じチップセットを使っていても、描画方法の細かな違いや制御によって快適さが大きく変わってきます。

 だからこそ、メーカーとしてはこだわり甲斐があり、富士通としてタブレットに取り組む意義があります。カタログのスペック表だけでは分からないものの、触れると分かる性能というのが多くあって、例えば、省電力性能に関しても携帯電話で培った技術を投入しています。

――パソコンと同じように、Androidにも電力管理機能はありますし、チップセットのメーカーもリファレンス設計を用意していると思いますが、メーカーとしてそれ以上にチューニングする余地が大きいと。

吉澤: 具体的には申し上げにくいのですが、端末内のさまざまな部分において、OSまかせで電力を落とせる部分以上に落としています。基本的には「電力供給を切れるところはすべて切る」という考え方です。CPUも、何もしていないときにできるだけ“眠らせて”、起きている時間が極力短くなるように、しかし必要なときには素早く起きるようにチューニングしています。ハードウェア側任せだと、どうしても切れない部分があるんです。

防水性能の高い密閉構造ながら、「均熱化」で発熱問題をクリア

――パソコンの歴史を振り返ると、消費電力の増大とともに問題となったのが発熱でした。スマートフォンやタブレットはパソコン以上の勢いで性能が向上している部分もありますが、冷却ファンのないタブレットで熱問題が発生するおそれはないのでしょうか?

本郷: もちろん構造的に放熱も考慮していますが、ARROWS Tabは防水の密閉構造ですので「熱をできるだけ散らす」考え方を採用しています。内部に熱伝導性の良い材料を使うなど「均熱化」を図ることで、お客様が低温やけどなどをされることのないよう、強く意識しています。

高田: そこが、私どもがメイドインジャパンの品質としてこだわっている部分で、例えば温度に関しては「何分間で何度以下」といった、明確な社内基準を設けています。

 おそらく、(安全マージンを削るような)無理をすれば、端末は限りなく薄く軽くできると思いますが、そのためにユーザーの皆さんがやけどをするなどもってのほかです。使い勝手と安全性とのバランスは、日本人らしい“おもてなしの心”、技術の差として出しているつもりです。これらも価格や見た目だけでは分からない部分ですが、重要な価値であると信じて製品を開発しています。

高田和明氏(パーソナルビジネス本部 グローバルビジネス統括部シニアマネージャー)

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