筆者のような職業に就いている場合、毎年この時期には確定申告を行なう必要がある。会社員でも、FXやオークションで儲けた人は申告しなければならない、住宅ローンを組んだり、たくさん医療費がかかった人は、申告すれば控除を受けられるかも。とはいえ、忙しいこの時期に税務署に出かけるのは面倒だ。できれば、ネットを調べながら家で作業したい。そこで今回は確定申告をオンラインで行なう技を紹介しよう。
税務署に行かないで申告できるのは非常に助かる
確定申告とは、所得税や消費税、贈与税などを申告し、税をきちんと納付するための手続き。事前に決められた割合の金額を納める源泉徴収をしている人は、確定申告により納め過ぎた税金を還付してもらえることもある。会社員の場合、通常は年末調整を行なうが、FXやオークションで儲けたり、2ヵ所以上から給与を受け取っていた人や災害減免法により源泉徴収の猶予や還付を受けた人、収入が2000万円を越える人などは確定申告をしなければならない。住宅ローンを組んだり、たくさん医療費がかかった人は控除を受けて、還付金を得られることもある。
例えば、20万円の医療費を使ったなら、1万円(所得によって異なる)ほどが戻ってくる。筆者のように、収入の数割が経費になる場合は、結構な金額が還付される。自分で前払いした税金とはいえ、ボーナスのないこの稼業にとっては、楽しみな臨時収入とも言える。
本来は、税務署に行って申告書を提出するのだが、「e-Tax」を利用すれば、自宅のPCからネットで提出することもできる。最初のみ手間がかかるが、その後はラクに申告できるので、チャレンジすることをお勧めする。
「e-Tax」申告の準備をする
まずは事前準備を行なう。まずは、区役所などで住民基本台帳カードを入手し、電子証明書(公的個人認証サービスに基づく電子証明書)を発行してもらう。電子証明書は3年間有効なので、来年からは出かけずに即手続きが可能だ。
筆者は昨年、「e-Tax」を利用したのだが、同じ品川区内で引っ越しをしたので、住民票を書き換えに行ったのだが、電子証明書が失効すると言われたので、住民基本台帳カードを廃棄してしまった。今回、また電子証明書を取りに行ったところ、それが問題になってしまった。失効するのは電子証明書だけで、住基カードは10年間有効なのだ。重要な物なので、なくしたからと言ってすぐに再発行できるものではない。通常は、警察に届けた後の手続きになるのだが、筆者の場合は捨てているのが明らかになっている。結局しばらく協議した結果、その旨一筆書き、再発行してもらうことになった。
次に必要なのが、ICカードリーダーだ。「公的個人認証サービスへの適合性済みICカードリーダライタの一覧」(PDF)にて、e-Taxで利用できるデバイスを確認できる。利用する住基カードによって、接触型と非接触型の2タイプがある。品川区は、カードの表面にICチップが載っているので、接触型だ。今回は、リストのトップに掲載されている「SCR3310」(NTTcom)を利用する。実売価格は2000円前後と安い。税務署に行く電車賃の方が安いという声が聞こえてきそうだが、初めて「e-Tax」を利用する人は4000円の特別控除が受けられるので、初期コストはまかなえるだろう。
ここから先は、自宅の作業となる。「e-Tax」を利用するには、InternetExplorer(IE) 6以降、もしくはSafari 5.0以降が必要になる。さらに、PDFを表示するために、Adobe Reader 9/Xもインストールしておくこと。また、Windows 7の64ビット版を使っている場合、ICカードリーダーライターが64ビットに対応している必要があるうえ、InternetExplorerを32ビットモードで起動しなければならないので注意が必要だ。
国税庁のウェブサイトから「平成23年度分 事前準備セットアップ」をインストールして、証明書や署名送信モジュール、クライアントソフトなどをまとめてインストールする。初期状態のIEなら、これで「e-Tax」を利用できるようになる。普段はFirefoxやChromeを使っているので、IEは新品状態。そのため今回はトラブルが起きなかった。しかし、昨年は普段使いしているIEを使ったために、電子認証が行なえなかったり、最後の最後でプレビューできなかったりとトラブル続きだった。作業はシンプルなIEで行なうことをお勧めする。不要なアドオンは無効にしておくといいだろう。
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