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作品データが売れる「Gumroad」、プロ作家から見たらどうなんだ

2012年02月25日 12時00分更新

文● 四本淑三  語り● 寺田克也(イラストレーター)

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とてもクリエイターの生活が変わるレベルにはならない

―― 昨日も一枚上げてましたよね。

寺田 うん。取材用に1つ上げてみたんだよ(Gumroad)。

2月21日にアップロードされた2番目の作品「tengu and tiger」(4200 × 2778 pixel )

―― この件でそんなに取材来てるんですか?

寺田 いや、この取材。

―― えっ、それはありがとうございます!

寺田 最初は勝手に盛り上がったけど、今出してもそうはならないなと思ったので。URLを貼る場所も、Facebookだけにしてみたんですよ、海外のファン向けにね。いまオレのフォローは3600くらいあるんだけど、そこに絵を上げると、普段はものすごいコメントが付くわけ。「more! more!」とか言ってね。でも昨日アップしたのは、もう全然レスポンスないね。

―― もうGummordに飽きちゃったからとか?

寺田 いや、有料になった瞬間、皆こうスーッっと。それで買ってくれた人の8割が日本人、ガイジンは買わないんだなって。

―― あれっ、そうなんだ。なにか逆のような気がしますけど。

寺田 それはオレの現象であって、他の人は違うかもしれないけど。1回目は初速がすごかったけど。2番目のは今日(アップロード当日の2月21日)の夕方までに16人。前のは57人。2枚合わせて、トータルで108ドルくらい。 とりあえず9000円くらいは儲かったよ。労せず9000円! 不労所得!

―― おお!

寺田 9000円だって遊んでたら手に入らないからね。

―― とはいえ、逆に寺田さんでもそんなもんなのかな、という感じもしちゃうんですけど。

寺田 そんなもんだろうねえ。とてもクリエイターの生活が変わるレベルにはならないね。胴元が儲かるだけで。ただ、毎日これだったらいいかも知れないけど。

―― じゃあ連載にするとか?

寺田 それはね、現状抱えている仕事があるからね、無理。ときどき出るよー、くらいで。まあ、どんな商売でもそうだけど、儲けようと思ったら本腰を入れて、宣伝打ってという所まで持っていかないとダメだよね。

―― 佐藤秀峰さんなんかは、本格的にオンラインで自分の作品を売ったりしている(漫画 on Web)けど、ああいう風にしようとは思わない?

寺田 あれは大変でしょう。絵を描くのとは別の努力が必要だし、一人ではできないしね。一人でやろうとすると自分のコンテンツに手が回らないわけで。オレはそういう方向には向いてないね。マメじゃないから。

漫画家・佐藤秀峰氏は漫画配信サービス「漫画 on Web」を立ち上げ、自らの作品も公開中

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