高速化とは異なるアプローチで利便性を追求した製品
大量の写真を一度に転送するといった用途が主な場合、Wi-FiでもUSB接続でも時間がかかるものの、撮影した写真をカードの抜き差しの手間なくパソコンの大画面で確認できる点では大きく評価できる。また、一般的なデジタルカメラでは複数のメモリーカードへ同時に書き込むといった冗長性は確保できないので、出先でも撮影した端からスマートフォンに写真を移しておけるのは、リスク回避の手段としてはかなり有効だと感じた。
一般的なSDカードの進化の方向性である「高速化」とはまったく異なるアプローチで利便性を追求したEye-Fiは、SDカードのデータが消失したという苦い経験をお持ちの方ほど、使ってみてほしい製品だ。
これまで3回に渡ってSDカードの各製品を触ってみたが、ここ数年の間に価格・機能・性能の3つの面で大きく様変わりしていることが実感できた。本特集がこれからSDカードを購入しようとしている読者の参考になれば幸いだ。
こっちの白芝は無線LAN機能付き
東芝からも新しいSDカードが発売される
ネットワークSDカードはEye-Fiだけじゃない! 東芝からも無線LAN機能を搭載したSDカード「FlashAir」がリリースされる。3月中に発売予定で、価格は未定。
Eye-Fiと同じく、8GBのクラス6で、IEEE802.11b/g/nに対応したSDカード。カメラ側から電源を供給して動作するのも同じだ。Eye-Fiと違うのは、パソコンやスマホに専用のアプリをインストールしなくてもブラウザーで画像の転送ができるところ、そして単体でウェブサーバーになることである。自動アップロード機能はないので、FlashAir非対応機種(カメラ)においては、アクセスポイントかサーバーになるSDカードという認識が正しいだろう。このアクセスポイント機能はSDカードとしては世界初の機能で、SSIDを公開して、仲間内でSDカードの中身にアクセスするなんてことも可能だ。これはEye-Fiにはない、使い方といえる。
また、日本だけでなく、北米やヨーロッパでも無線認証を取得しているので、ほとんど世界中でデータ転送をすることができる。転送できるファイルは写真や動画に限らず、テキストや音楽ファイルなどデジタルデータならすべて転送することもできる。電源供給時に省電力モードになるので、カメラの電池の消耗を抑えられるのもポイントが高い。
対応機器が必要になるが、オンラインストレージやSNSに直接データをアップロードしたり、デジカメ同士で写真をシェアできるP2P機能も備えている。例えばFlashAirを挿入した対応カメラが3台あったとしたら、この3台同士でお互いのカメラの画像データをシェアできるのである。対応機器は、今後カメラメーカーなどと協力してリリースしていくという(現在、対応機種はなく、早ければ秋に登場予定)。この機能が使えるのは、もうちょっと先の話のようだ。
※これらの写真は開発中のものです。製品版で仕様が変更になることもあります。
この連載の記事
-
第2回
トピックス
速いは正義! SDカード界最速を決めるベンチ対決! -
第1回
トピックス
SDカードコスパ最強決定戦 激安激速カードを探せ! -
トピックス
大容量超高速のSDメモリーカードで幸せになる! - この連載の一覧へ