白芝よりも速かったPQIやADATA
同様に、Transcend以外のメーカーの中から家電量販店を中心に多くの店舗で流通している東芝、PQI、ADATA、KINGMAX、SiliconPowerといった、価格が安くて人気のSDカードの速度対決を行なった。容量はすべて8GBでスピードクラスは10に統一。こちらは下の結果のように、メーカーごとに大きく異なる結果が出た。
TranscendとPQI、ADATAはほぼ同等。KINGMAXもリードアクセスは速いが、ライトアクセスが他のおよそ半分の速度しか出ていない。地方のパーツショップによく陳列されているSiliconPowerについては、他のカードよりも明らかに劣る結果となっている。予想外だったのが東芝製のクラス10、通称「白芝」の遅さだ。リードアクセスについてはシーケンシャル、ランダムともにTranscendなどの他メーカー群とほぼ同等だが、ライトアクセスが遅く「あれ、こんなもん?」と思わせるスコアだ。いやいや、他が健闘している、と言った方が良いのか……。
ちなみに、これらのSDカードは、秋葉原では白芝以外すべて800~900円ちょっとと、1000円以下で買えた。同じような値段で速度が違うなら、速いほうを選びたい。
SanDiskのUHS-I対応カードを検証する
編集部から「これ、すごいらしいっすよ」と渡されたSDカード・SanDiskの「Extreme Pro」。本製品は内部のフラッシュメモリを4つのブロックに分割し、同時にアクセスすることで速度の向上を図っている。UHS-I規格にも対応し、95MB/sの高速転送を謳う“爆速”のSDカードだ。他の製品とは規格も構造も違う本カードは、いったいどれくらいの差があるのかを調べてみたところ、驚愕のスコアを叩き出した。
なお前回の予告で白芝と対決させると書いたが、今回のベンチで思ったより速度が伸びなかったので、比較対象をTranscend製クラス10カードに急遽変更した。
ベンチ結果を見るとTranscend製に比べて、シーケンシャルリードアクセスでおよそ1.6倍、ランダムライトアクセスに関しては、5~60倍も速い。今回はUSB 2.0接続で試したが、スペック通りの性能を引き出すにはUSB 3.0対応のカードリーダーが必須だろう。
デジカメ利用ではシーケンシャルアクセスが中心になることが多いが、データの上書きや削除を頻繁に繰り返しているとランダムアクセスが発生しがち。SDカードのファイルを直接編集することが多いユーザーにとっては速度低下を防ぐことができる数少ない切り札として、本製品を選ぶのもいいだろう。大量の写真をPCへ転送する際の待ち時間を短縮することができる、デジカメのヘビーユーザー必須のカードだ。
ただし、金額は同じ容量の製品と比べて5000~6000円ほどと、4倍近く高額なのがネック。このベンチ結果を見るに、それだけの価値はあるので、性能を取るか金額を取るかで決めよう。
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