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新OS「OS X Mountain Lion」 ― ポストPC時代に合わせ、Macの進化を加速させるアップル

2012年02月16日 22時31分更新

文● 林信行

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アップルの中国市場での勢いをさらに加速

 この夏リリースのOS X Mountain Lion、今回、発表された10の機能はここまでだが、実はこれに加えて、もう1つ重要な方向性の変化となる発表がなされた。

 それは中国市場を意識した機能強化だ。

 アップルは昨今、中国市場でも勢力を伸ばしつつある。すでに上海など数ヵ所に大型直営店をオープンしており、iPhone 4Sの中国発売の際には、おびただしい数の人がショップを囲む映像が世界中にニュースで流れた。

 今後アップルは、中国におけるMac販売の勢いも加速させるべく、OS X Mountain Lionでは、いくつか中国の特殊な事情にあわせた改良を施している。

中国市場を意識した機能強化が行なわれる

 まずひとつ目は、文字入力に関する改良だ。変換精度をさらに向上させ、ピンイン方式の文字入力キーボードで、切り替え操作なしでそのまま英単語も入力できるようになった。ピンイン入力の文字の自動修正機能も用意されたほか、方言/訛りのせいでピンインのつづりが間違っていても、それを自動的に補正する機能も用意された。手書き文字認識機能でも、認識できる文字数が倍増している。

 このように文字入力の機能を強化する一方で、中国の特殊なネット事情に合わせた、機能も数多く追加している。

 まず、Safariの標準検索エンジンとしてBaiduが選べるようになった。また、Twitter機能の代替として、中国製のマイクロブログサービス「Sina weibo」が選択できるようになっている。さらにYouTube、Vimeoに代わる動画共有先として、中国製動画共有サイトのYouku、TudouをOS標準でサポートしている。

 また、「メール/連絡先/カレンダー」の設定では、アップルが世界標準として採用しているサービスに加え、中国で人気が高いインスタントメッセンジャー「QQ」、メールサービスのひとつとして「126.com」、「163.com」も指定できるようになっている。

 なお、OS X Mountain Lionは、英語、中国語、そして日本語以外にも多数の言語に対応している。対応言語の合計は30言語に及ぶ。

新OSで、さらに高みへと上ったアップル製品のトータル体験

 ここまでで紹介したのは、OS X Mountain Lionに用意された新機能のほんの一部だ。OS X Mountain Lionの新機能は、合計で100種類以上に及ぶ。なかには、Open GLベースのアプリケーションを簡単に作れる開発者キット「GLKit」の搭載や、マルチタッチを使ったジェスチャー操作に対応したアプリケーションを、より簡単に作れる機能など開発者向けの機能改善も数多い。

 だが、何といっても大事なのは、アップルが、「Back to the Mac」の戦略をさらに押し進め、ユーザーがMacとiOS機器の間をさらに行き来しやすくなったことではないだろうか。

 メディアやメーカーは、「スマートフォン」「タブレット」「パソコン」といった個々の製品市場や利便性について語ることが多いが、これらの機器すべてをニーズにあわせて使い分けてこそ、さらに楽しく、さらに便利に活用できる。

 アップルがすごいのは、これら個々の製品ジャンルのすべてで、製品の販売台数でも、ユーザーの満足度でも最高ランクの製品を提供しつつ、さらに、これら3種類の製品すべてを所有し使い分ける際にも、おそらくほかとは比較にならないほどの快適な連携ができることだろう。今後、仮にスマートフォンで、iPhone並みの使いやすさを提供できる製品が出てきたとしても、トータルの体験の良さでアップルに追いつくには、さらに遠い道のりがありそうだ。

 OS X Mountain Lionは、この夏、Mac App Storeを通しての有料アップグレードとして提供される予定だ。価格などの詳細は、まだ公表されておらず、今回紹介した以外の新機能についても、今後、リリースが近づくにつれて徐々に明らかにされていく模様だ。


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