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2年連続の女王戴冠なるか? 5年目のミクGTプロジェクト 第3回

すべてはミクZ4の勝利のために! 智将・大橋監督の戦略

2012年02月17日 18時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部

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シーズンの途中で2011年に向けて動き出した

──そんな前から動き出したんですか!

大橋 はい。その時期から、ドライバー、クルマ、ガレージをどうするかな~と思案していました。安藝さんに、来年もやるのであれば今から動くから、やるやらないだけでも先に決めてくれと言って、安藝さんもスポンサーフィーとの兼ね合いとかを考えて、いけるだろうとGOサインを出してくれました。そこからまずクルマを探し始めたんです。この時点ではコルベットとかも候補に挙がってましたよ。

──クルマ探しから始めたんですか!?

大橋 ヨーロッパのレースとかをいろいろ見て、何が日本のサーキットに合うのかを探しました。その中で最終的にBMWでやろうと。BMWでやるなら鈴木さんだよね、ということでStudieの鈴木さんに声をかけたんです。さすがに鈴木さんも経営者として悩むところがあったようですが、Studieの負担をなるべく減らす提案をして「やりましょう!」と。そして、鈴木さんもやる気になってくれて、2011年のプロジェクトがスタートしたんです。

2011年の参戦マシンとなったBMW Z4 GT3

──クルマとエントラントが決まったあとはドライバーですね。

大橋 クルマを決めたらすぐにドライバー探しです。JAF-GTの頃かなあ、RE雨宮さんが2010年限りで撤退するという話を聞いたんで、すぐに谷口選手に電話して「来年どうなの?」と探りを入れました。すると「まだわからない」とのこと。来年BMWでやろうと思ってて、これからすぐに体制を作るし、絶対勝ちたいんだって伝えました。すると彼は「考えさせてください」と。そりゃそうですよね、谷口選手からしたらこっちはイロモノですから。

──すでに谷口選手と交流があったんですか?

大橋 いや、まったく面識なかったので、連絡先を知っている人から電話番号を聞いたんです。で、ご飯に誘って(笑)。ご飯を食べながらいろんな話をして、そこで「9年勝ってない(チャンピオンになっていない)から、勝てるパッケージを探している」と谷口選手から言われました。そこで、ガレージは谷口選手が信頼しているRSファインにするし、クルマもBMW Z4 GT3を持ってくるつもりだし、報酬もこのくらい払いますよ、と。その時点で彼もかなりグラグラと来てたんですが、「やっぱり番場を変えてくれませんか?」と(笑)。

紆余曲折あったが、2011年のチームメイトとして戦うことになった谷口選手と番場選手、そして片山右京SD

──第一の難問ですね(笑)。

大橋 逆にこっちが、ちょっと考えさせてくれって。番場選手はいまやチームの顔であり、個人スポンサーさんたちからの信頼も厚い。安藝さんとも相談した結果、外すのは無理だろうと。その頃、僕と番場選手はかなり仲良くなってたので、彼に「谷口選手はキミと組むのを嫌がってるけど、どうする? Bドラでいい?」みたいに言ったんですよ。

──え、そのまま伝えたんですか?

大橋 番場選手には全部言ってますから。チームに残る代わりに、絶対にやらかさない、ラフなことしないを条件で、何かやらかしたらその瞬間クビだからね、と念を押して。谷口選手には、できる限りのサポートはするからどうにか乗ってくれと言って、年明け早々に首を縦に振ってもらいました。

──RSファインは谷口選手からの紹介で?

大橋 そうです。彼と長年一緒にやってきて、信頼関係もあるし、やるならRSファインでと。ただ、これまでGT3車両はやってこなかったので、僕の候補の中には入ってなかったんですよ。だけど、谷口選手とRSファインの河野さんが築いてきた信用もあり、ドライバーのフィードバックに対してちゃんと答えが出るんです。しかも、その答えが出るスピードが速い。それもあって、こりゃ心配ないなと。

──今だから言える、実はこのドライバーも考えてた、という人がいれば教えてください。

大橋 経験値があって、番場選手と乗れて、速くてやらかさない。この条件で選んでいたんですが、谷口選手以外にもGTでの経験が豊富なドライバーを何人か考えていました。売り込みも多かったですしね。おかげでドライバーのほとんどの方と知り合いになれました(笑)。

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