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タブレットからドライバーレスで印刷できる「Officejet Pro 8600/8100」シリーズ3モデル

HP、クラウド・スマホ対応のビジネスインクジェットを発表

2012年02月15日 11時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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 日本ヒューレット・パッカードは15日、小規模オフィスをターゲットにしたビジネスインクジェットプリンター「HP Officejet Pro」シリーズに新モデルを追加した。3月1日から同社直販サイトHP Directplusなどで販売する。

左から順にHP Officejet Pro 8100、HP Officejet Pro 8600 Plus、HP Officejet Pro 8600

 印刷機能に特化した「HP Officejet Pro 8100」(1万9950円)と、複合機「HP Officejet Pro 8600 Plus」(直販価格3万2970円)、「HP Officejet Pro 8600」(2万4999円)の合計3モデルがある。

 コンシューマ機で培った“ePrint”“Print Apps”をビジネス向けインクジェットプリンターでも採用。クラウドを活用し、メールするだけで離れた場所にあるプリンターから出力したり、ドライバーの追加なしにスマートフォンやタブレットから印刷できる機能を提供する。

ノズル数などを増やした新インクカートリッジを採用。顔料系インクであるため、水をつけた際でもにじみにくい

 いずれもインクヘッド幅とノズル数を拡大した新顔料インク(HP950XLおよび951XL)を採用。従来機種(Officejet Pro 8500A Plus)に対して、カラー・モノクロの両方で印刷速度を約3割向上させた。同時にランニングコストも低減。黒顔料インクの噴射量を最適化することで用紙への定着率も高め、耐水性やマーカーなどでなぞった際のにじみなども改善した。主な仕様は下記のとおり:

新製品の概要
製品名 Officejet Pro 8100 Officejet Pro 8600 Officejet Pro 8600 Plus
概要 印刷専用機(A4対応)。Officejet Pro 8000の後継機種。 複合機(A4対応) 複合機(A4対応)。Officejet Pro 8500A Plusの後継機種。
解像度 4800×1200ドット
印刷速度 毎分20枚(モノクロ)
16枚(カラー)
毎分18枚(モノクロ)
13枚(カラー)
毎分20枚(モノクロ)
16枚(カラー)
接続 USB/Ethernet/無線LAN
モニターサイズ 2インチ 2.7インチ 4.3インチ
自動両面印刷
ADF ── 片面35枚 両面50枚
HP ePrint 対応
Print Apps ──
AirPrint
サイズ(W×D×H) 494×460×315mm 494×460×300mm 494×399×202mm
価格 1万9950円 2万4990円 3万2970円

 このうちハイエンドの複合機となるOfficejet Pro 8600 Plusは4.3型と大きなタッチディスプレーを装備。スワイプなどのジェスチャー操作にも対応する。スタンダード機のOfficejet Pro 8600と比較して印刷速度も速く、最大50枚までの自動両面対応ADFを持つ点が違い(無印の8600は35枚の片面ADF)。

Officejet Pro 8600 Plusは4.3型と大きなタッチディスプレーを装備

 8600/8600 Plusとも大容量インクにより黒2300枚、カラー1500枚の印刷が可能。iPhone/iPadのAirPrintやHP ePrintなどを活用することで、タブレットやスマホから直接印刷したり、HP Printer Controlでスキャンした画像をタブレットに無線で取り込むといった使い方ができる。

操作パネルの中央にECOボタンを装備。ここに省電力関係の設定項目を集約している

 さらに週末や夜などプリンターを使用しない日付・曜日・時間帯などを指定し、省電力化できる“スケジュール オン・オフ”機能など、ECO機能も強化した。HPでは同クラスのカラーレーザープリンターと比較して80%以上、低消費電力だとしている。

 

 一方Officejet Pro 8100は印刷機能に特化するため、コピー・ファクス・スキャンなどの機能は持たない。ただし、インク残量や無線LANへの接続状況など、機器のステータスが視覚的に分かるカラーディスプレーを装備。AirPrintやHP ePrintにも対応する。印刷速度も上位の8600 Plusと並ぶ。

 日本HPでビジネス向けインクジェットプリンターのビジネスを担当する松本達彦本部長は、従業員数500名未満のSMB/SOHO市場は約128万台の規模があり、前年比11%増の成長率を持つ有望な分野であるとする(2010年度の実績)。製品の選定に際しては、価格(商品自体とランニングコスト)、印刷速度、印刷画質・品質の3点を重視しつつ、コンシューマー機も候補に入れながら、さまざまな製品を切り替えていくケースが多いという。

 つまり、アピールできる性能と品質があれば、比較的容易に市場での存在感を高められるという意見だ。さらに直販および量販店のチャンネルとは別個に事務機器などに強い法人向けリセラーを経由した販路も開拓していくことでSMB市場でのビジネス拡大を目指していく考えだ。




 HP ePrintを経由して印刷されているドキュメントのうち、すでに半数以上(約55%)がPDF文書となっており、Office文書の28%やEmailの14%、JPEG画像の3%を大きく上回る。同社ではこの点に注目し、今後オフィスでも普及が進むと考えられる、タブレットに取り込んだPDF文書を簡単に出力できるソリューションを重視していく。

 すでに述べたHP ePrintやAirPrint以外にも、GmailやGoogle Docsの印刷に対応したGoogle Cloud Printなど、ソフト/ドライバーの追加が不要で、かつタブレットから無料で使えるクラウドサービスが増えてきている。これらは個人が趣味として楽しむ用途はもちろんだが、ビジネスの利便性や効率を高めるという点でも有益であるはずで、その分野での訴求も積極的に行なっていくという。

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