Tegra 3で新生したAndroidタブ Eee Pad TF201の実力は?
2012年02月09日 12時00分更新
実際にサイズを比べると、スペック上では、タブレット部だけで約4.7mm、モバイルキーボードドックを着けた状態では約8.9mmも薄くなっている。天板のデザインモチーフもZENBOOK同様に、ヘアラインで円弧を描いたものに変わっている。他方で、フットプリントにはさほど違いがない。奥行きが4mm弱伸びた一方で、幅は8mm小さくなった。重さもセットで約200g、タブレット単体では約94g減っている。クラムシェル型で約1.1kgという重量も、まさにUltrabook並みだ。
このことからTF101とTF201では、「モバイルノート」としての使い勝手が大きく変わっている。個人的な好みとしては、モバイルキーボードドックを取り付けた際に、ディスプレー部がもう少し奥に倒れてくれるとありがたいと感じるが、気になるのはそのくらいのものだ。キータッチもしっかりしているし、タッチパッドの操作感も良好。タッチパッドの使い勝手については、むしろ大半のモバイルノートより良い、と感じるほどだ。薄くなったとはいえ、TF101で好感触であったボディー剛性が高く、妙に安心して使える感じを受けるところは、そのまま受け継いでいる。
タブレット部単体も、TF101は少々厚めで野暮ったい印象を受けたが、TF201は薄く、満足できる高級感を持った製品になっている。その印象を強くさせているのが、ディスプレーの改善だろう。解像度やサイズこそ、10.1型/1280×800ドットと変わっていないが、品質はもう一段上のものに変更された。
特に「明るい屋外用」という扱いで搭載された「Super IPS+ mode」の存在が改善点にあたる。これを簡単にいえば、一時的にバックライトの輝度を最大600cd/m2まで引き上げるものだ。正直、室内では明るすぎてここまでの出力は不要と感じたが、日中の屋外では確かに見やすくなる。かといって、全体の色が極端に破綻するようなこともない。そもそもTFシリーズは、視野角が広く見やすい液晶パネルを採用していると感じるが、それがこのモードの存在により、よりプラス方向に進化した、と感じられる。
Tegra 3採用の価値は直接的な速さより
「動画」と「省電力性能」で見える
TF201のもうひとつの特徴は「中身」、特にプロセッサーの進化だ。TF101は「Tegra 2」を採用していたが、すでに述べたように、TF201は「Tegra 3」を採用している。ARM Cortex-A9ベースのCPUコアは2コアから4コアになり、クロック周波数も1.4GHzに上がった。NVIDIAは「Tegra 2比で最大5倍」と主張している。
率直に言って、それだけの差を実使用で感じたかというと「No」だ。筆者宅にはほかにもTegra 2採用タブレットが2台ほどあるが、それらはどちらも「速いは速いがすごくはない」というところ。実際、タブレットとしての使い勝手をスポイルするほどではなかった。だがiPad 2などを触ると、「デュアルコアのプロセッサーであれば、もう少し速くてもいいはず」と感じる。
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