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品質とコストパフォーマンスで採用決定

GMOアプリクラウドを支える100台超の「ServerIron ADX」

2012年02月08日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2月7日、ブロケード コミュニケーションズ システムズ(以下、ブロケード)は、GMOインターネットにおける「ServerIron ADX」ファミリの導入事例を紹介するプレスイベントを開催した。ブロケードによる概要説明のあと、GMOインターネットの佐藤氏が質疑に応えた。

高い品質とコストパフォーマンスで採用

 ServerIron ADXはブロケードのADC(Application Delivery Controller)で、旧ファウンドリー製品の特徴でもあるハードウェアベースの高い処理能力を売りとする。今回、ブロケードはGMOインターネットの「GMOアプリクラウド」のインフラで、ServerIron ADXを採用していることを発表した。現在、100台以上のServerIron ADXシリーズがGMOアプリクラウドで動作しているという。

GMOインターネット システム本部 サービス開発部 ネットワークチーム 佐藤氏

 GMOアプリクラウドは、ソーシャルゲームに特化した低価格なクラウドサービスで、開発支援プロジェクト「アプリやろうぜ! by GMO」を経て、2010年8月よりサービス提供を開始している。しかし、GMOアプリクラウドでは、300強ものソーシャルゲームプロバイダーが日々新しい作品が開発・提供している一方で、どのゲームがヒットするのか、あらかじめ予測できないという状況があるという。快適なプレイ環境と顧客満足を維持するためには、突発的なアクセス集中に対応できるパフォーマンスと柔軟性が重要で、サーバーの負荷を分散するロードバランサーの役割はきわめて大きかったとのことだ。

 そのため、高速な10Gbpsのバックボーンに対応するADCを検討し、ブロケードのほか、F5やA10、シトリックスなどの製品をリストアップした。この中でServerIron ADXが選定された理由の1つは、まず品質が高いこと。同社では10年以上、他のブロケード製品(旧ファウンドリー製品)で安定稼働した実績があり、その結果、高い品質が認められたという。実機の検証も行なった結果、期待通りの動作や性能が得られなかった他社と比較し、ServerIron ADXはパフォーマンスもスペック通り出すことができ、遅延もきわめて小さかったとのこと。また、コストパフォーマンスという観点も優れていたほか、ブロケードと販売代理店である日商エレクトロニクスによるサポート体制も評価したという。

ServerIron ADXの採用理由

 採用機種として、アプリやろうぜ! by GMO向けに「ServerIron ADX 4000シリーズ」が導入され、その後GMOアプリクラウドで「ServerIron ADX 1000シリーズ」も導入されたという。「顧客ごとの設定を区切るために、コンテキスト機能を使っている」(GMO佐藤氏)とのことで、マルチテナントの環境でも問題なく使っているという。GMOアプリクラウドも当初はフューチャーフォンが多かったが、現在はスマートフォンのトラフィックが大幅に増加。「スマートフォンの通信はPCに近い。ロングパケットが多く、通信数自体も多いという特徴がある」(佐藤氏)という状況があるが、問題なくさばけているとのこと。

 現状、インフラは物理サーバーと仮想サーバーが混在するハイブリッドな状態で、大規模なL2ネットワークを介して、サーバーをつないでいる。今のところ問題にはなっていないが、「仮想化すると、とてつもないサーバー数が動くことになるので、L2のMACアドレス数をそろそろ意識しないといけない状態」という。今後は、ブロケードが推進しているEthernet Fabricのようなデータセンターファブリックの導入も検討しているという。管理もXML APIを活用することで自動化を推進していく予定となっている。

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