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MacBookも、もちろん……だけど

おすすめ高音質スピーカーKS-1 HQM(W)は、iPhoneやiPadと活用せよ

2012年02月10日 11時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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パソコンだけでなく、iPhoneとも多彩な接続

 というわけで、この記事の本題はここからとなる。

 Dockコネクターを搭載した一体型スピーカーなどを除外し、既存のオーディオシステムに音質の妥協なくiPhoneを接続しようと考えるなら、以下のような方法があるだろう。

  1. USBを経由したデジタル接続(Dockコネクタ⇔USB)
  2. iPodトランスポート接続(Dockコネクタ⇔SPDI/F)
  3. AirPlayやAirTunesを利用したワイヤレス接続

 1.は、iPhoneやiPodに付属するUSBケーブルを利用して対応機器に接続するもの。“iPodデジタル接続”がこれに当たるが、iPhoneからの信号を受けるためには、機器側に特定のチップを載せる必要があり、KS-1 HQMでは利用できない接続方法だ。

 ただし同じiOS搭載機器でも、iPadシリーズだけは例外で「Apple iPad Camera Connection Kit」(2980円)という秘密兵器が使える。

Apple iPad Camera Connection Kit。写真はUSB接続用だが、これとは別にSDカードスロットに変換するアダプタも付属する

 その名の通り、デジタルカメラをUSBケーブルでiPadに接続するための変換アダプターなのだが、実はこのアダプターを使って、USB DACとiPadを接続すると、パソコンにUSB Audioデバイスを接続したのと同じように、iPadの音声をデジタル信号のままUSB DACに送ることが可能になるのだ。

 iPadをKS-1 HQMにつないだ場合、「消費電力が大きすぎます。」という警告が出て一瞬利用できないように見えるのだが、心配は無用。ACアダプター付きのUSBハブを間に入れて接続すれば問題なく使える。

 2.に関しては、オンキヨーの「ND-S10」「ND-S1000」やWADIAの「WADIA 171 iTransport」といったドック型の製品があり、iPhoneの中にあるデータを光または同軸のデジタル信号として取り出せる。こうした機器はDDC(Digital to Digital Converter)などと呼ばれる。価格的には1万円台前半からあり、利便性という意味でも悪くない選択だが、オーディオグレードの機器になるため少々高くつくのが難点だ。

ND-S1000

 ただしここでも、ちょっとした裏技がある。以前「高音質PCスピーカー「KS-1HQM」は、テレビと一緒に使え!」という記事でも紹介したが、最近の薄型テレビは光デジタル出力を備えており、多くの場合、HDMI端子から取り込んだ音声信号をデジタル出力できる。これを応用してみればいい。つまり、テレビをDDCとして活用するのだ。

 iPhone 4SやiPad 2など最新機器には「Apple Digital AV Adapter」(3980円)というオプションがあり、HDMI出力が可能だ。「音のためだけに、いちいちテレビをつけるのか?」という意見もあるだろうが、KS-1 HQMの光デジタル端子は1系統だけなので、テレビ周りに置くのが前提なら、基本その端子は埋まっている。

 つまりそういう意味でもスマートな接続ができることになる。

 また、iPhoneで聴く音声信号は、何も音楽だけではない。YouTubeのミュージッククリップやニコニコ動画の配信、iTunesでレンタルした映画など、多彩なソースを高音質かつ大画面で楽しみたいという需要はあるはずだ。そんなとき応用の利く方法であるので覚えておきたい。

利便性中心で考えるなら、ワイヤレスが最上の選択

 最後の3.は「AirMac Express」(8400円)や「Apple TV」(8800円)といった機器を利用する方法だ。1.~2.が有線接続であるのに対して、無線接続になるため、スピーカー周りがスッキリし、よりレイアウトの自由度が高まる。さらに部屋の中の好きな場所から、手元のiPhoneを使って選曲操作ができる点は言うまでもない便利さだ。

コンパクトな無線LANアクセスポイントである「AirMac Express」。発売から時間がかなり経過しているが、音にこだわるユーザーを中心にロングセラー商品になっている

 アップルは、AirMac ExpressではAirTunes、Apple TVではAirPlayと用語を分けているが、AirTunesは音声専用、AirPlayはその機能拡張版と考えておけばいい。AirMac Expressは丸型の光デジタル出力端子、Apple TVは角型の光デジタル出力端子を持っており、ともにKS-1 HQMとデジタル接続が可能だ。

 また、iPhoneのミュージックアプリだけでなく、パソコンのiTunesで再生中の音楽も無線LAN経由で飛ばすことができる。

 iPhoneのストレージは16~64GB程度と制限があり、自分の持っているCDライブラリーすべてを非圧縮(やロスレス圧縮)で持ち運ぶには手狭。一方パソコンであれば数TBのHDDを載せることも可能だ。

 ハイエンドオーディオの世界では、DLNA対応のNASやPCに保存した楽曲ファイルをネットワーク越しに取り出して楽しむ、ネットワークオーディオが注目を集めている。スコットランドのLINNや日本のヤマハなどが製品を投入しているが、これらの機種は安いものでも5~10万円程度、高いものでは数百万円にもなる。これ以外にスピーカーやアンプへの投資も必要だ。

 Apple TV(あるいはAirMac Express)にKS-1 HQMを組み合わせれば、機能的にはこれと遜色ないことが5万円台(8800円+4万9800円)で実現できる。これは革命的な出来事。さらに、AirPlay対応のAppleTVでは、動画や写真の伝送に加え、Remoteと呼ばれるiPhoneアプリを使った操作にも対応。ネットワーク環境さえ用意されていれば、別室に置いたパソコンの音源すら自由に取り出せる。

Apple TVはAirPlayの機能を手軽に活用できる

 さらにAirPlayでは、radikoのようなラジオアプリ、YouTubeのような動画アプリの音声がやり取りできる。音楽を聴く用途はもちろんだが、今後重要になってくるネット配信の動画やネットラジオなどもワンストップで対応できるという点でも、注目したい組み合わせだ。

 デジタルのスルー出力はなく、サンプリング周波数が固定となる点は数少ない制約だ。Apple TVを例にとると、CDなどで一般的な44.1kHzの音源も、必ずデジタル放送やDVDなどで用いられる48kHzにレート変換して出力される。

 この点、リッピング音源中心のリスニングスタイルを検討しているユーザーが若干物足りなさを感じる部分かもしれない。しかし、それを考えても余りある利便性の高さがあるのも確か。ここは音質にこだわるか、よりカジュアルに音楽を聴くかのどちらかで判断していけばいいだろう。

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