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帰宅困難者を上陸用舟艇で輸送! 都と米軍の共同訓練を取材

2012年02月07日 18時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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フォート・マクヘンリー艦艇長のアンソニー・モスケラ4等准尉

 今回記者が同乗したのは、在日米陸軍の上陸用舟艇「フォート・マクヘンリー」。LCU 2000級(またはラニーミード級)と呼ばれる上陸用舟艇である。全長53m、全幅13m。戦車などを含む350トンの貨物を搭載可能で、士官2名、下士官11名の13名で運用される。2011年9月掲載のこちらの記事に登場した、「ブロードラン」Broad Run LCU 2007の姉妹船で、通常は横浜港の瑞穂埠頭にある在日米軍港湾輸送施設に配備されている。艦艇長はアンソニー・モスケラ4等准尉。

LCUを特徴付けているのが、船首にあるこのランプ(傾斜路)。砂浜に乗り上げてここから貨物や車両、人員の乗り降りが可能なので、港湾施設が被害を受けるような災害でも活躍できる

フォート・マクヘンリーの船尾

渡り板はラッセンよりもさらに狭い。当日は海も穏やかだったが、荒れている状況で乗るのは少し怖そう

 記者会見が終わると、フォート・マクヘンリーへの乗船が始まる。梯子のように狭い渡り板を渡って、帰宅困難者役の都職員が乗り込んでくる。今回フォート・マクヘンリーの甲板上には、4つのコンテナが置かれている。うち2つは「Personal Shelter」と呼ばれる帰宅困難者を収容するコンテナで、残る2つはそれらに電力を供給する「Generator Shelter」である。Personal Shelterは12名を収容でき、2台で今回は24名(+通訳1名)が乗船した。

乗船する都職員の方々。狭い階段を下りて前甲板へと回る

甲板に集まった訓練参加者を前に、注意事項を説明する乗組員と通訳(写真右)。洋上訓練とあって、参加者もさすがに緊張した表情

航行中の船上を動き回る際には救命胴衣の着用が必要ということで、説明を受ける参加者。表情も真剣だ

指示を受けてPersonal Shelterに入る参加者

帰宅困難者を収容するPersonal Shelter。長さは20フィート(約6m)

Personal Shelterの内部。広いとは言えないが、エアコンやトイレ(今回は未使用)も用意されており、短時間の航行なら快適にすごせる

Personal Shelterに電力を供給するGenerator Shelter。サイズはPersonal Shelterと同じ

内部には発電機と吸排気設備が。ちなみにGenerator ShelterとPersonal Shelterは1対1ではなく、1台のGenerator Shelterで複数のPersonal Shelterに電力を供給することも可能

シェルターの配置。写真手前側の2基がGenerator Shelterで、奥側2基がPersonal Shelter

 船上での説明によると、コンテナは最大24個まで設置できるそうだ(その場合はコンテナを積み重ねる)。人員輸送時は最大で220名を乗船させられるという。

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