※この記事は子安大輔氏のメールマガジン「「食」から読み解くマーケティング(「ビジスパ」にて配信中)から選んだコンテンツを編集しお届けしています。
「いつ行っても行列ができている」と噂される、日本橋、店名も堂々たる天丼の店。老舗の風情漂うこの店舗はどのように顧客の支持を得ているのか。子安大輔氏がビジネス視点で分析し、成功への糸口を示す。
場所はお江戸日本橋。提供するのは昼夜を問わず「天丼」のみ。そして「金子半之助」という堂々とした店名。
これだけの要素が揃うと、ぐっと来る人は多いことでしょう。以前から「いつ行っても行列ができている」というこの店の噂は耳にしていたのですが、先日ようやく訪れる機会が生まれました。日本橋三越の裏に少し入ると、その行列は確かにありました。あえてランチタイムをずらして13時30分に行ったのですが、それでも10人以上が並んでいたのです。外観はオーソドックスな老舗という佇まい。
席数が多くない上に意外と回転が遅く、40分ほど待つことになりました。平日の日中ということもあるのでしょうが、女性、特にそれほど若くはない女性客が多いことも、この店の裾野の広さをうかがわせます。
そして、この店から感じられる「江戸っ子」らしさは、メニューのシンプルさにも由来しています。あるのは天丼1種類だけ。それにごはんを大盛りにするのか、そして味噌汁は付けるのかという選択があるのみです。待つことしばし。そして天丼が登場。左右にまたがる大きな穴子、エビが2尾、小柱とイカのかき揚げ、半熟卵、海苔、ししとうがのっています。驚くべきは、そしてこの店に行列ができている最大の理由は、これで880円という価格でしょう。いわゆる「コストパフォーマンスが抜群」というヤツです。店内外から見えるところで職人が揚げており、器づかいなどもきちんとしているので、「これで880円!」という驚きを多くのお客が感じているはずです。
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