結果発表:最初に買うべきはどれ?
最初にも軽く触れたが、インイヤー型でしかもカナル型となると、全体的に情報量の多い精密な表現をする傾向にあると感じた。なかでもシュアとオーディオテクニカは細部の情報まで精密で一音一音まで細かく聴き取れる再現をした。
価格的に最安価で、どうしても不利を否めないソニーだったが、トータルの実力としてはなかなかのものだと感じた。もともとBA型は再生周波数帯域が狭いため、熟成が進んでいるダイナミック型と比べると差がついてしまったのも原因だろう。その点を含め、BA型を2個とした上位モデルの「XBA-2」となると周波数帯域がさらに広がり、まとまりも良くなるので、気になる人は試してみてほしい。
意外だったのは、オーバーヘッド型では低能率なモデルが多いゼンハイザーが、カナル型モデルではかなりの高能率だったこと。そのため、オーバーヘッド型とはキャラクターもかなり違っていた。ボーカルの滑らかさ、耳元で優しく歌っているような上品さはうっとりするほど美しく、特に女性ボーカル好きの人にはおすすめしたい。
総合優勝は
情報量の豊かさとパワー感を両立させた「SE215」!
個人的にもっともバランスがよく、ベストだと感じたのは、シュアの「SE215」だ。
カラっと明るいキャラクターは好き嫌いもあるが、クラシックやロックといったジャンルによる苦手なものもないし、熱気の伝わる再現は聴いていて楽しい。耳障りなほどにぎやかにはならないし、情報量の豊かさとパワー感を両立していることがもっとも気に入った。
惜しくも次点となったのは、オーディオテクニカの「ATH-CKM77」。忠実度という点では間違いなくNo.1だし、余計なフィルターを通さず旋律の美しさやボーカルの表情を正確に伝えてくれる。外出時や通勤通学などの気軽なリスニングでは、ここまで真面目な音でなくてもいいと個人的に思ったのが次点とした理由だが、このあたりは好みもあるだろう。
価格帯も含めて、このクラスになると、iPhoneで音楽を聴いていても満足度はかなり高くなる。この上を求めるとなると、リッピングする音源をMP3からロスレス圧縮に変えたり、実力の高いヘッドフォンアンプを使ったりといったアプローチが必要になるだろう。
次回はオーバーヘッド型イヤフォン4モデル! インイヤーに比べ、音楽を支える雄大さやスケール感の広さといった、量感・伸びをともなった低音の充実度では有利な形式だ。携帯もしやすいポータブル型だけでなく、屋内でじっくりと音楽に没頭できるモニターモデルまで取りそろえて紹介しよう!
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