“細書き”の繊細な描写力が光る
オーディオテクニカ「ATH-CKM77」
次はオーディオテクニカの「ATH-CKM77」。ステンレス切削のハウジングとアルミニウムのハイブリッドメタルハウジングを採用し、音質に悪影響のある不要共振を抑えていることが特長。13mmのダイナミック型ドライバーも専用設計だ。CKMシリーズは高音質志向のシリーズだが、本機の価格は実売で8300円程度で、比較的リーズナブルになっている。
■ オーディオテクニカ「ATH-CKM77」
形式:密閉ダイナミック型
出力音圧レベル:104dB/mW
再生周波数帯域:5Hz~25kHz
インピーダンス:16Ω
コード長:0.6+0.6m/質量:約8g
実売価格:8300円前後
デザイン:耳にすっぽり収まるアルミボディが美しい
イヤーピースは堅牢な作りで、手に持っただけで剛性の高さが伝わる。樹脂製のボディと比べると、金属の質感を活かした仕上げが上質に感じられる。装着時は耳からの出っ張りも少なく、耳の中にすっぽりと収まる感じでなかなか良好。コードが0.6m+延長0.6mなので、ポケットに入れたり、カバンに入れたりと使い分けがしやすい。
音質:高/中/低全領域をくまなくカバーするマジメな優等生
「My Dearest」のボーカルの再現はやや細書きのタッチになるが、低音もしっかりと出ており、ひ弱さは感じない。チック・コリアの弾むようなピアノのタッチを軽やかに再現するなど音の反応の良さ、テンポ感の良さが大きな魅力だ。ヴァイオリンは弓を動かす動作が見えるような鮮明な再現で、写実的に描かれたデッサン画のようなリアルなタッチの再現になる。低音や高音のバランスもフラットで正確で忠実度の高い再現だ。
余計な色づけのないナチュラルな音色や、細やかな音の再現力は、剛性の高いハウジングによる音の濁りの少なさを実感できる。楽器の音色の違いやボーカルの再現など、細かいところまでじっくりと鑑賞したい人に適したHi-Fi指向のモデルと言える。多少マジメすぎて楽しさに欠けるところはあるが、使い勝手を含めて弱点のない優等生モデルだ。
「ATH-CKM77」 実力チェック表 |
デザイン | 装着感 | 音漏れ防止 |
---|---|---|---|
◎ | ◎ | ◎ | |
音の情報量 | 高域 | 中域 | 低域 |
◎ | ○ | ○ | ○ |
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