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テレビ・ビデオ配信の裏で活躍する企業 Roviを知っているか?

2012年02月01日 17時21分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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 「Rovi」という企業をご存じだろうか? BtoBのソリューションビジネスを軸とする米国企業なので、日本の一般的なコンシューマーでの知名度は低いかと思うが、今後は日本でもその名を目にする機会は増えそうな、要注目のメディアソリューション企業だ。

 そのRoviが1日、東京都内にて記者説明会を開催し、同社の事業戦略の説明や、1月に米国で開催されたInternational CES 2012に合わせて発表した最新ソリューションの数々を披露した。

Roviの事業について説明する製品担当上級副社長のコーリー・ファンガレル氏

ゲストとして登壇した評論家・ジャーナリストの麻倉怜士氏。Roviの持つデータやソリューションの多様さと重要性を、ジョークを交えて楽しく解説した。手にするのはRoviが買収したAll Media Guide社の音楽情報書籍「All Music Guide」のジャズ版

テレビ・ビデオの検索から配信まで
幅広く手がけるRovi

 Roviという名前に聞き覚えがなくても、Sonic SolutionsやRoxio、あるいはDivX、Gガイドといった企業名やブランド名、製品名には聞き覚えがあるだろう。これらはすべてRoviの傘下にある。元々RoviはMacrovisionという、映像の著作権保護技術で成長した企業である。それが多角的な企業買収を繰り返して、テレビやビデオ配信など、特に映像コンテンツに関する様々なソリューションを有する企業となっている。

 製品担当上級副社長のコーリー・ファンガレル氏はRoviの手がける事業について、「検索」「ビデオ配信」「広告配信」の3つが軸であると述べる。中でも特に重要なのは検索だ。

Roviの中核となる「検索」を構築する製品やサービスを示した図

同様に「ビデオ配信」を構築する製品やサービス。アプリや配信技術だけでなく、多様なソリューションと膨大なメタデータ情報をRoviが提供する

 世の中には膨大な量のテレビ番組や映画、ビデオコンテンツが存在し、それらが地上波や衛星、ケーブルテレビ(CATV)によって配信されたり、オンラインでのダウンロード配信やストリーミング配信など、多種多様な手段でユーザーに提供されている。Roviはこうしたメディアコンテンツに関する膨大なメタデータを有しており、多様な配信手段を横断してコンテンツを検索、ユーザーに提示する技術と製品を有している。その検索技術を家電メーカーやCATV事業者、小売店などに提供するのが、Roviの重要なビジネスとなっている。

 例えば、東芝がCESで発表したテレビ内蔵の番組表機能やタブレット端末向けアプリは、Roviの技術「TotalGuide」をベースに東芝が独自の実装を加えたものだ(関連記事)。タブレット端末上で動作する番組表アプリは、地上波やCATVを問わず、大量のチャンネルにわたる番組情報を軽快に表示し、タブレット上から番組の選択もできる。TotalGuideは日韓の主要テレビメーカーがこぞって採用するほどで、欧米市場で販売されるテレビやレコーダー/プレーヤーでは、TotalGuideをベースにした番組検索機能が搭載されるのが一般的になりつつあるほどだ。日本でも大手テレビメーカーのすべてに、Gガイドが採用されたという。

東芝が米国で販売するテレビやタブレット向けアプリでの採用事例。RoviのTotalGuideをベースに、東芝が独自の機能を実装して製品に組み込む

 日本でも「Gガイド番組表」のアプリがiPad向けに提供されているほか、日立のテレビ「Wooo」シリーズ向けのアプリでは、iPadからのチャンネル・録画番組選択や録画予約設定なども行なえるようになっている。ある意味ではスマートテレビの中核となる技術と、それを支えるメタデータを一手に握っているのがRoviであるわけだ。

日本向けの「Gガイド番組表」iPad版(画面はサンプル)。ちなみに「広告が邪魔」と評判の悪かったテレビ組み込みのGガイド番組表も、邪魔にならないよう改善された

日立のテレビ「Wooo」向けのアプリ事例。テレビと連動して、iPadから選局や録画予約ができる

 ビデオ配信に関しても、傘下のDivXの技術を利用したストリーミング技術をCATV事業者などに提供している。最新の「TotalGuide G2」では、事業者のシステムに合わせて、FlashやHTML5で番組表機能を提供する。また、「アダプティブストリーミング」と呼ばれる技術により映像コンテンツ配信も提供し始めている。アダプティブストリーミングは、通信帯域に合わせて動的に映像コンテンツの品質(ビットレートと解像度)を変化させる技術である。再生開始直後はDVD程度の品質だが、帯域に余裕があればフルHD品質まで、非常にスムーズに品質を上げながら表示を続けられる。早送り/早戻しのトリックプレイも考慮されており、ストリーミングにありがちなもたつきや待たされ感を感じさせない。

CATVを想定した「アダプティブストリーミング」のデモ。再生開始直後はDVD並みの品質(左写真、上側)だが、帯域状況に応じてスムーズに可変させてHD品質(右)へと上げていく

 そのほかにも、米国で大手映画会社の支持を集めて広がり始めたコンテンツのライセンス管理技術「UltraViolet」にも、Roviは深く関わっている。また、Roviのデジタルコピーソリューションでは、例えばDVDを持っているユーザーが、ビデオ配信で提供される同じコンテンツをオンラインで購入・レンタルできるという仕組みも提供している。

こちらはRoviの有する映画に関するメタデータを活用したクラウドサービスの事例。映画コンテンツをタップすると、関連する映画が周囲に表示され、どんどん関連コンテンツが広がっていく。個々の映画は詳細情報を見られるほか、YouTubeに掲載されているトレイラーなども参照できる

 エンドユーザーに直接製品やサービスを売る企業ではないが、今後のテレビ・ビデオ配信に関わるソリューションには、Roviの技術やデータが活用されるケースが増えていくだろう。その意味でもRoviの動向には要注目である。

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