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「スマホ&タブレット」と「テレビ&BDレコ」で広がる素敵な世界 第3回

まだまだ機能盛りだくさんのAV連携アプリ&PS VitaのAV連携

2012年02月01日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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実はスマホ+BDレコ並みに優秀!?
PS Vita+「torne」のAV連携機能

スマホ並みの多機能携帯ゲーム機「PS Vita」

スマホ並みの多機能携帯ゲーム機「PS Vita」

 最後はスマホ、タブレットから離れるが、ソニー・コンピュータエンタテインメントの携帯ゲーム機「PS Vita」のAV連携機能について紹介したい。3G回線を使った通信機能など、スマホ並みの高機能かつ携帯可能なデバイスということで、今回の特集には外せないものと考える。

 ゲーム機とはいえPS Vitaも動画や静止画の撮影、再生などの機能を有しており、高機能なマルチメディアプレーヤーとして活用できる。最大の特徴は、5型の有機ELディスプレー(960×544ドット)で、これがとんでもなく高画質だ。

 コントラスト性能では真っ黒と非表示の黒が識別できないレベルだし、発色や階調性の豊かさでも、同サイズの液晶パネルに比べて大きな差があると感じる。

 この高画質をテレビ視聴や録画番組再生でも利用できるようにするのが、プレイステーション 3用の地デジキット「torne」との連携だ。実際のところ、BDレコーダーと連携するのはtorneの新機能である「レコ×トルネ」(有料、1800円)で、PS Vitaで「リモートプレイ」を行なうことで、多くの機能を楽しめるようになる。

「PS Vita」で表示した「torne」の番組表。解像度による文字の見やすさの差はあるが、基本的にtorneとまったく同じで、レスポンスも“快速”

「PS Vita」で表示した「torne」の番組表。解像度による文字の見やすさの差はあるが、基本的にtorneとまったく同じで、レスポンスも“快速”

PS Vitaで番組の予約をしているところ。torneではなく、「レコ×トルネ」で連携しているBDZ-AX2700Tが指定できる点に注目

PS Vitaで番組の予約をしているところ。torneではなく、「レコ×トルネ」で連携しているBDZ-AX2700Tが指定できる点に注目

 まず、リモートプレイについて簡単に説明しよう。もともとは「プレイステーション・ポータブル」用の機能で、無線LANによる家庭内接続、およびインターネット経由での接続でPS3を外部からリモート操作できる機能だ。PS3のすべての機能が使えるわけではないが、torneの機能はほぼすべて使用でき、PSPやPS Vitaをポータブルテレビのように使うことができる。

 当初PS Vitaでリモートプレイを行なうと、映像の転送レートが低く、かなり粗い映像でしか楽しめなかったが、昨年12月15日のアップデート(Ver.3.50)でその問題は改善された。とはいえ、もともとPSP用の解像度を想定した機能のため、PS Vitaではやや解像感の甘い映像に感じる。ここはやはり、1/4HD画質(960×544ドット)の対応にも期待したいところだ。

 レコ×トルネによるtorneと対応BDレコの連携は、torneを使ってBDレコをリモート操作できる、というもので、これを使うとtorneの操作でBSやCS放送の視聴が可能になる。番組表もtorneの快速表示で、BS・CS放送とも表示でき、録画予約や番組探しが圧倒的に快適になる。録画済み番組も、DLNA再生でtorneからコントロールできるので、torneがあれば、日常的な操作ではBDレコを常時スタンバイ状態のままで使えるようになってしまう。

リモートプレイでPS Vitaから
BDレコに録画予約ができる

torneで録画した番組をPS Vitaのリモートプレイで再生。解像感はやや甘くなるものの、発色やコントラスト感は自宅のプラズマテレビと同レベル

torneで録画した番組をPS Vitaのリモートプレイで再生。解像感はやや甘くなるものの、発色やコントラスト感は自宅のプラズマテレビと同レベル

リモートプレイでBDレコで録画した番組を再生しようとすると、再生できない旨の表示が現われる

リモートプレイでBDレコで録画した番組を再生しようとすると、再生できない旨の表示が現われる。残念!

 前述のとおり、このBDレコ連携はリモートプレイでも利用できる。ただし番組再生についてはtorneで内蔵HDDまたはPS3に増設したHDDに録画した番組のみで、BDレコで録画した番組の再生はできないという制限がある。しかし、番組表の表示や録画予約はできるので、PS Vitaをtorneのコントローラーとして好きな場所から、録画予約が行なえるようになる。

 なお、リモートプレイは外出先からインターネットを経由しても使用できるが、機能制限はさらに増えて、番組の視聴や再生は一切できなくなる。つまるところ、外出先からはリモート予約用に使うのが主な用途となる(番組検索やトルミル検索なども可能だが)。

 とはいえ十分に便利で、なんといってもtorneへの番組予約だけでなく、BDレコへのリモート予約も可能。ソニーのBDレコはスマホからのリモート予約にも対応しているが、実はPSPやPS Vitaからもリモート予約が行なえるのだ。すでにPSPやPS Vitaと対応するソニーのBDレコ(昨秋発売以降の現行モデル)を持っている人なら、ぜひ試してみてほしい機能だ。

番組持ち出しもできる

PS VitaにtorneやBDレコの番組を持ち出せるアプリ「ウケトルネ」。こちらは無料で提供されている

PS VitaにtorneやBDレコの番組を持ち出せるアプリ「ウケトルネ」。こちらは無料で提供されている

番組持ち出しを行なうには、まず専用メモリーカードに保存場所を確保する必要がある。容量はメモリー容量に合わせて選択可能

番組持ち出しを行なうには、まず専用メモリーカードに保存場所を確保する必要がある。容量はメモリー容量に合わせて選択可能

番組持ち出しの場合は付属の専用USBケーブルで接続し、この画面で待機させる。持ち出しの操作はtorne側で行なう

番組持ち出しの場合は付属の専用USBケーブルで接続し、この画面で待機させる。持ち出しの操作はtorne側で行なう

番組持ち出し中の画面。中央の丸い窓の中ではアニメーション表示で「動作中」を示している

番組持ち出し中の画面。中央の丸い窓の中ではアニメーション表示で「動作中」を示している

 番組の持ち出しもPS Vitaで行なえる。これは「PS Store」で無料で提供されている「ウケトルネ」というアプリを使用し、番組の転送はUSB接続で行なう。PS VitaはAC電源供給とUSB接続が同時に利用できないので、事前に充電を済ませておこう。

転送が完了すると、ビデオの再生方法を知らせる画面が表示される

転送が完了すると、ビデオの再生方法を知らせる画面が表示される

付属アプリの「ビデオ」で、転送した番組を表示したところ

付属アプリの「ビデオ」で、転送した番組を表示したところ

 ウケトルネを起動してUSB接続が終わったら、番組持ち出しの作業はtorne側で行なう。転送には変換のための時間がかかるので、この機能をよく利用するならば、「クイック書き出し」が便利だ。持ち出しの画質はPSPと同じで「高画質」と「標準画質」の2つが選べる。

 これに加え、対応BDレコでの「おでかけ転送」も、PS Vitaのウケトルネで行なえる。こちらもUSB HDD接続で、ウケトルネを起動して待機させるなど操作は同様。ただし書き出し作業はBDレコ側で行なう。

 どちらも解像度的には最大でVGAなのだが、転送レートが高いためか、BDレコから書き出した方が画質はよく、動きの速いシーンでのノイズの発生も少なかった。PS Vitaの高画質なディスプレー性能でテレビ番組を楽しむなら、BDレコから持ち出す方がいいだろう。

 とはいえ、やはり解像度的には物足りない。PS Vitaで再生できる720pで持ち出すのが理想だし、せめて960×544ドットの解像度での書き出しへの対応が選べるようになるとさらにうれしい。

 PS VitaとPS3のtorneの連携は、DLNA再生やリモート予約など実用上十分な機能がある。しかも、torneはTwitterと連携してつぶやきを同時に表示することもできるので、ポータブル機器で手軽にテレビを見るには楽しい機能も多い。さらに、BDレコまで遠隔操作で予約などができるのもちょっと嬉しい。

 リモートプレイや持ち出し画質の解像度など、今後のアップデートに期待したい部分もあるが、5型の画面で驚くほど高画質なテレビ映像を楽しめるのだから、ユーザーならばこの機能を活用しないのはもったいないだろう。

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