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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第84回

レノボに聞く 2012年のThinkPadとIdeaPad、Windows 8

2012年01月26日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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ホテンシャス氏が2012年の代表的プロダクトに上げた一体型PC「IdeaCentre A720」

ホテンシャス「もうひとつ、紹介したいプロダクトがあります。これは“オールインワン”ですが……。いままでのものとはちょっと違いますね。10本指でのタッチ機能に完全対応しているのですが、特殊なヒンジが組みこまれていて、テーブルのような形まで倒して使うことができます。複数の人とコラボレーションしながら使う時や、シンプルなゲームをする時などに価値を発揮します」

ディスプレー部分がフラットになるまで倒れる一体型はとても珍しい。新しいトレンドとなるか?

ホテンシャス「我々は、こういう新しいタッチの価値を生かした機器の可能性を、非常に高く評価しています。コンピューターとの新しいインタラクションの形を実現できると考えているからです。多くの人が同時に、コンピューターに関わることができます。これは家庭内の用途でも、コラボレーションの用途でも新しい価値になると考えています」

Windows 8はPCの価値を再定義するもの

――Ultrabookは非常に薄く、すばらしい商品です。他方で、今はモバイルに特化しており、ある程度付加価値を求める層が使うものになっています。これからこのジャンルは、もっと広がると考えていいのでしょうか?

ホテンシャス「はい。薄さ以外の観点でいえば、レスポンスの速さも特徴になるでしょう。そういった点はすべての人々にとって重要なことになります。確かに現在、Ultrabookは明らかに“プレミアム”ポジションにいます。しかし私は、それが間違いなく変わっていくと考えています」

ホテンシャス「むしろ必要な答えは『それがいつになるのか』ということでしょう。インテルの努力を見ても、Ultrabookが広がっていくことについて疑いはありません。私の側から“いつ”という答えをお伝えすることはできませんが、Ultrabookは大きな数を占めるプラットフォームになると確信しています。10%なのか15%なのか、その数字はマーケットが決めるものになるとは思いますが、かなり大きな数になるのは間違いありません」

――Windows 8へのシフトが今年予定されています。そのことがコンシューマー向け製品にどのような影響を与えるでしょうか?

Windowsの体験をタブレットの世界に持ち込むのがWindows 8と、ホテンシャス氏はその意義を述べる

ホテンシャス「いま多くの人は、PCで『完全なWindows上での体験』を得ています。Androidタブレットは新しい価値を提供しており、さまざまな使われ方をしていますが、『完全なWindows上での体験』に近い価値を再現することはできていません」

ホテンシャス「Windows 8が登場することを、我々はエキサイティングなことだと考えています。なぜなら『これまでのWindows上での体験』を、そのままタブレットの世界に持ち込むことができるからです。YOGAのような製品では、Windowsの機能をそのまま提供しつつ、タブレットの持つ価値を体験することもできます。もうすでに、そういった形のものが現実になっているのです。市場にとっては大きなインパクトを持つものと確信しています」

ホテンシャス「ある意味、Windows 8はPCの価値を再定義するものになると思っています。YOGAのようなものも、タッチ機能を持ったオールインワン型も、そういった価値を生み出すものだと考えているわけです」

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