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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第44回

Samsungの戦略を再チェック シェアを増やす独自OSのBada

2012年01月25日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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実はシェアが伸びているBada
ただし、今後のエコシステムはどう構築する?

新製品もリリースされている。写真は「Samsung Wave 3」

 だが、Badaはちょっと違う。実はBadaはSamsungブランド人気を受け、シェアが伸びているのだ。Gartnerによると、2011年第2四半期でBadaはMicrosoftの1.6%を追い越し、1.9%で5位につけている。やはり2011年の第3四半期では、シェアはさらに2.2%に増えている。特筆すべきことは、Badaライン(「Wave」シリーズ)は欧州が中心で、アメリカでは提供されていないことだ。つまり、これまで米国市場抜きでシェアを増やしてきたということになる。

 Samsungは2011年にBadaのVer.2を発表するなど改良を続けており、他社へのライセンスを検討中という話が出たこともあった。だが、Badaのアプリがどのぐらい開発されているのか、となるとわからない。Badaはミッドレンジ~ローエンド向けではあるが、アプリのエコシステムなしにはスマートフォンの成功はありえない。しかし、端末メーカーであるSamsungがエコシステム戦略をどのように進めていくのか……これはApple以外のどのメーカーも苦労している部分となる。

 TizenとBadaの統合が現実のものになるのかは今後様子見となるが、SamsungがAndroid(とWindows Phone)だけでは不足と感じていることは明らかだ。

 なお、メーカーとOSという点では、Windows PhoneにかけるNokiaも動きがあった。Nokiaは1月はじめ、Smartphoneというノルウェーのフィーチャーフォン向けのOSベンダーを買収している。

 Samsungはスマートフォンでは1位だが、携帯電話全体ではいまでもNokiaが首位だ。だがその差は縮まっており、この流れが続けばSamsungは2012年に王座につくことになりそうだ。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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