このページの本文へ

2年連続の女王戴冠なるか? 5年目のミクGTプロジェクト 第1回

個人スポンサーとの絆を大事にしたい! 鈴木代表の闘魂

2012年02月03日 19時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

個人スポンサーとの絆が
参戦を決意させた2011年

──鈴木さんにとっては辛かったシーズンが終了し、2011年が来たわけですが。

鈴木 2011年は最初から個人スポンサーやってくださっている方たちとも、もう3年以上の付き合いになりました。なんか、僕の趣味であるサーフィンのサーファー仲間と同じような感じなんですよ。ひとりひとりの名前は知らなくても、いつもそこで会うから「よう!」とか声かけるようになって、だんだん仲が良くなっていく。話す内容も濃くなっていってね。個人スポンサーさんたちが徐々に増えているのも実感できていたので、みなさんとサーキットで会うのがモチベーションになっていたと言っても過言ではないですね。もし、個人スポンサーさんが減っていれば「続けて意味あるのか?」って考えてしまいますが、増えている以上はこのプロジェクトを続けたかったんです。



──2011年から、ついにZ4GT3でStudieとして復活を果たしましたが、この経緯は?

鈴木 包み隠さず話しますと、安藝さんと大橋さんからの提案だったんですよ。本当にありがたいことでした。ビックリしましたよ。そういう展開は考えてなかったので。例えると「口から手がわ~っと出てくる」くらい驚きました(笑)。

──当初考えていなかったということは、2011年は(Studieとして)SUPER GTに参戦するつもりはなかったんですか?

鈴木 いやいや、いつかまたやろうって気はあったんですけど。だけど、まさかそんなオファーが来ると思ってなくてね(笑)。しかも、「クルマは最初からZ4GT3で、エントラントはStudieで」っていう条件だったんです。この体制で2011年の初音ミクGTプロジェクトをやっていきましょう、と。

──2010年終わってすぐにオファーが?

鈴木 そうです。2010年シーズン終わった直後、11月か12月くらいだったかな。2011年の体制がすべて決まったのは年越してからですが。

今やGT応援団の一角を成すまでになったミク応援団。巨大フラッグの前で鈴木代表もご満悦の様子だ

──その頃も相変わらず不景気で自動車業界も苦しかったですし、Studieさんも決して楽な状況ではなかったと思うんですが、参戦を決めた理由はなんでしょう?

鈴木 そうですね。リーマンショック以降、自動車業界もわれわれStudieも大きな痛手を受けています。2010年の終わりくらいは良くなったほうでしたけど、ピークに比べればまだまだで。エントラントとなるからには、Studieがクルマを購入しなきゃいけません。だから、レースには出たかったけど、ウチがクルマを買うなんてことはイメージもしてませんでした。しかし、GSRさんがそういうことも含めサポートしてくれると提案してくださったし、個人スポンサーさんとの「絆」を切らしたくないというのもあり、断る理由がありませんでした。すぐにウチの役員を集めて会議をしたんですが、最初はやっぱり「こんな時期に何言ってるんですか」って言われて(笑)。でも最終的にはみんなで「やりましょう」と言ってくれました。

──Studieさんの復帰に勇気をもらった人もいるかと思います。もちろん帰ってきた個人スポンサーさんもいましたし。こんな時期だからこそ、プライベーターの新規参戦は夢と希望を与えますね。ところで、現在のZ4はどのように決めたんですか?

鈴木 会議で承認されたあとは、BMW本社に連絡を取って、個体探しをずっとしましたね。一言でZ4GT3といっても、新車がいいのか、中古車がいいのか。中古車だったらどの個体がいいのか。とにかく徹底的に調べて辿り着いたのがあのマシンだったんです。大橋さんにはドライバーの交渉を担当してもらったので、僕はマシン選びに注力しました。

 まず、新車だと開幕に間に合わないということが判明したので、新車の線はすぐに消えました。納期が5月になると言われたんで。そこから、中古車探しにシフトして、売りに出てるクルマから3台絞りました。さらに調べてみると、そのうちの1台がBMWモータースポーツの2011年モデルの開発車だったんです。正確には、2010年モデルなんですけど、「2011年はこうしていこう」という、いわゆるテストカーでした。2011年モデルに付けるはずのパーツがすでに付けられてて。「じゃあ、絶対これがいい!」ということになり、決めたのがあのZ4だったんです。

──ドバイ24時間レースで優勝した車両ですよね。それも決め手だったんですか?

鈴木 いや、ドバイで優勝する前から決めてました。勝ったから決めたのではなく、決めたあとに、たまたまドバイで優勝しちゃっただけです(笑)。2010年モデルのZ4GT3で出ていた問題点が改善されている2010年モデルなんですよ、ややこしいですが。だからエンジンもタイヤサイズも同年式の標準とは違います。中古車の中ではずば抜けて高額だったんですけど、これしかないだろうと。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ