これまでにない静かな掃除機! その秘密とは――
マニュアルとカタログを熟読すると、静音性が売りになっているようだ。そりゃスイッチがONになってるかどうか分からない掃除機なんて、今まで見たことなかったし。カタログには「業界最小運転音」って書いてありました。反省――。
ということで、実際に騒音を測定してみることにした。なにせJISの定める騒音は「無響室で(一般家庭とかけ離れてないか?)、掃除機のノズルを床から10cm浮かせて(それじゃ、掃除してねーじゃん!)、ヘッドの回転ブラシを止め(ええっ! フツー回した状態で掃除するだろ!)、掃除機から1m離したところに測定値を置いた値」となっている。
そこで俺ん家で、これまで自宅で使っていたサイクロンとシャープのサイクロンの運転音をフツーに使って測定してみた。
注釈:ASCII.jp編集部の独自測定であり、JISの規格に基づいて測定しているものではありません(3月27日)
もう劇的に違うってのがお分かりいただけるだろう。
40dbっていうのは図書館の中の静かさで、50dbだと静かな事務所のようなもの。「掃除機をかけてもテレビのボリュームを上げなくていい」ってのや「スイッチがONになってるか分からない」って事実を裏付ける結果だ。ちなみにいままで使っていた掃除機の70dbは、電話が鳴り止まない事務所レベルだ。そりゃ、うるさく感じて当然。
「EC-WX300」の静音性の秘密は、あらゆるところに仕込まれた7つのサイレンサー(防音装置)、防振・吸音機構にある。
まず一番の騒音となるのが、モーターの駆動音だ。モーターは防振ゴムで固定されているのは今や当たり前だが、「EC-WX300」では遮音のためにケーシング(密閉)されている。さらに本体のモーターが給排気する部分にも吸音材が使われ、掃除機内に音を閉じ込める工夫がされている。
またヘッドやノズルの先端部分で発生する空気を吸い込む「コォーッ!」という音は、サイレンサーで消音されている。
消音の仕組みは長くなってしまうので割愛するが、「EC-WX300」で使われているのは、一般的な自動車やバイクの排気音を静かにするサイレンサーと同じストレート方式。内側のパイプに無数の穴を開け、外側のパイプとの間に吸音材を挟みこむという方式だ。たとえは悪いが他の掃除機は、改造マフラーでバリバリ音を立てて走るバイクと同じってこと。
さらなる遮音手段として見逃せないのは、ダストカップが二重になっている点。一見するとカップの透明部分がそのままガポッ! と外れそうだが、「EC-WX300」は二重になっているダストカップのうち、内側のカップのみにゴミが溜まる仕掛けだ。
おそらくダストカップに入ったゴミはサイクロンで猛烈な勢いで高速にカップ内を回転するので、カップを二重にしてその音も外に漏らさないようにしているのだろう。