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「SoftBank 4G」としてまもなくスタート予定

実測60Mbps超! 2月サービス開始の新モバイル通信を体感

2012年01月18日 21時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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マイクロセルで都心部の過密なトラフィックをさばく
ウィルコム時代のノウハウを活用

 この状況で強味となるのが、AXGPのマイクロセル対応だ。現在スマホによって発生しているトラフィックは完全に都市部が中心。さらに渋谷というごく狭いエリアを切り取っても、1/3のエリアで90%のトラフィックが集中している状態だという。

スマホのトラフィック増加は話題になるが、本当に逼迫しているのは都市部で、しかもごく狭いエリアである

 これまでの携帯電話で一般的な技術では、1つの基地局で広いエリアをカバーするため、多くのユーザーで周波数という限られた資源を共有しなければならない。しかし、マイクロセルが前提となっているAXGPでは、1つの基地局が狭い範囲だけをカバーするため、周波数をより効率的に利用できる。

 一方、マイクロセルでは複数の基地局から飛んでくる電波が重なる場所で干渉による問題が発生しやすい。しかし、Wireless City Planningの前身となるウィルコムはPHSでマイクロセルに長らく取り組んできており、問題解決のノウハウを持っているという。また同時に基地局設置に必要なスペースの確保という点でも、PHSでの資産が活用できる。

狭いエリアにたくさんの基地局を設置できるマイクロセルはそういう状況に適している。またウィルコムの設備を用いるため、基地局の追加も比較的容易だ

電波の重なりによる干渉を避けるため、数十の基地局をまとめて制御する“クラウド基地局”のアイデアを盛り込んでいる

AXGP/PHSで共用するアンテナの実物。8本のアンテナのうち、4本が共用で、4本がPHS用となるという

中国で推進されるTD-LTEとの互換性で
端末や基地局の調達でメリットがある

 またAXGPは、TD-LTE方式との互換性にも強味がある。TD-LTE方式は次世代通信規格「LTE」のTDD版である(TDD=Time Division Duplex:時分割多重)。Xiに代表される通常のLTEや、これまでの携帯電話では、FDD(Frequency Division Duplex:周波数分割多重)を採用し、「上り」「下り」の通信を異なる周波数で行なうのに対し、TDDでは上りと下りで同じ周波数を用いて、時間ごとに上りと下りの通信を分割する。

 FDDは携帯電話での利用が前提であるため、上りと下りのトラフィックが対称である。それに対して、TDDは下りの時間を長くすることで、通信速度を上下でアンバランスにできるなど、インターネット時代での融和性が高い(WiMAXもTDDを用いている)。なお、TD-LTEは中国最大の携帯事業者であるチャイナ・モバイルを始め、ボーダフォンなども力を入れている。このことにより、端末や基地局を導入する際のエコシステムでもメリットが大きいとした。

2つの異なる周波数を用いるFDDに対して、TDDは同じ周波数を時間軸で分割する。下りの時間を長くすることで、上りに対して下りの通信速度を高められる

チャイナ・テレコムを始め、すでに多くの携帯事業者がTD-LTEに関心を示している

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