Aspire S3では、インターフェース類はほぼ背面に集中している。側面にあるのは、右側面のSDメモリーカードスロットと、左側面のヘッドセット用端子だけだ。背面にはUSB 2.0ポートが2つと、通常サイズのHDMI出力端子をひとつ備える。この手の映像端子は下手にミニサイズを使われると、いざというときに変換コネクターや変換ケーブルがなくて困ることも多いものなので、標準サイズを搭載する点は評価できる。USB 3.0ポートがないのは残念だ。
なお、Aspire S3は有線LAN端子がない。USB-LANアダプターも付属しないし、3G通信系の無線通信機能も内蔵しないので、ネットワーク接続は無線LANのみ(IEEE 802.11b/g/n)となる点は注意したい。
外観でいささか気になるのはキーボードだ。アイソレーションタイプのキーボードで、キータッチが軽めなのはUltrabookでは一般的だが、問題は配列だ。海外の製品とキーボードパネルまでも共通化しようとしたのだろう。スペースキーの左右に無変換、変換キーが隙間なく並んでいるほか、Enterと“]”キー、BackSpaceと“¥”キー、右Shiftキーと“\”キーも隙間なく隣接している。また、半角/全角キーやカーソルキー、PgUp、PgDownキーは非常に小さい。
配列こそかなり異質であるが、打ち間違いは意外に少ない。「Enterと“]”キーを押し間違えそうだ」と思っていたが、使ってみると案外間違えなかった。むしろサイズの小さなカーソルキーの方が、男性としては手の小さい記者の指でも押しにくく、気になった。
タッチパッドは最近の海外製ノートパソコンではよくある、パッドとボタン部が一体型になったツライチのパッドを採用している。下側左右のボタン部分は、押すとクリック感があるのだが、試用機では右側の反応がいまひとつ鈍いのか、あまり使いやすいとは言えない。タッチパッドは最大4本指までのマルチタッチに対応しており、ピンチイン・ピンチアウトなどのジェスチャー操作が可能になっている。
キーやタッチパッドは使用感に直結するだけに、こうした部分の過剰なコストダウンは歓迎しがたい。特にASUSTeKやレノボが日本市場で売るUltrabookには、一般的な日本語キー配列のキーボードが採用されていることを思えば、いまや世界シェアトップ5に入るパソコンメーカーたるエイサーが、同じことをできない理由はないはずだが……。
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