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あなたの知らない最新AVの世界 第7回

こんなに進化していた! 高音質なPC用スピーカー(後編)

2012年01月18日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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USB伝送でも音は変わる!?
1.5mで5万円の超高級ケーブルを試す

クリプトンのオーディオ用USBケーブル「UC-1.5」。ケーブル部分をよく見ると中央の黒いセパレーターで2つに分割されていることがわかる

クリプトンのオーディオ用USBケーブル「UC-1.5」。ケーブル部分をよく見ると中央の黒いセパレーターで2つに分割されていることがわかる

鳥居:さて、最後はオマケとして、クリプトンがアクセサリーとして発売しているUSBケーブルを試してみましょう。

編集H:1.5mで4万8300円!! KS-1 HQMとほとんど変わらないじゃないですか!

鳥居:価格についてはさすがにオーバースペックかも。それに信号を正確に伝送できて当たり前のUSBケーブルで音質に差が出るのかというのは、否定的な意見もあります。そのあたりはともかく、興味はあるでしょ?

編集H:自分の耳で違いがわかるかな……。

 ちなみにこのUSBケーブルは、高品質な電線やシールド素材の採用はもちろんのこと、信号線と電源線をセパレートした構造としていることが大きな特徴。これにより電源線から回り込むPCの高周波ノイズの影響を抑え、より純度の高い信号伝送を追求しているのだ。

編集H:あまり大きく変わった感じはないですが、もしかして空間の広がりが一回り大きくなりました?

鳥居:それは僕も感じました。十分に見晴らしのいいステージ感だったのですが、それがさらに透明度が上がったように感じますね。そのおかげで音の粒立ちもさらによくなったように感じます。

編集H:元のケーブルに戻すと、もやもやした感じというか、すこしざわついた感じもありますね。

鳥居:ノイズ感は明らかに違っていると思います。これは結構気になる結果ですね。

 USB伝送など、PCにおける信号伝送はデジタル情報に欠落やエラーがあることは許されないわけで、信号が同じなら音も同じになるはずだ。

 だが、少なくとも筆者には音質的には良好な違いを感じた。電源線やグランドラインから回り込むノイズの影響は少なからず存在するように思う。まあ、厳密なブラインドテストによる結果でもないので、筆者の印象を押しつける気はない。

 そして、クリプトンには申し訳ないが、KS-1 HQMと組み合わせるUSBケーブルだとは思わない。トータルで8万円をかけてスピーカーとアンプを選んだ方がより良い結果になることは間違いないからだ。

 PCオーディオの世界には、数十万円のUSB DACなども登場しており、実際のところ、それらを使って実力の高いアンプとスピーカーで再生したときの音の実力には驚かされる。こうした製品を使っている人ならば、このUSBケーブルは試してみる価値があると思った。

スピーカーの世界はやっぱり奥が深い
まずは気軽に手の届くところから挑戦を

鳥居:一通り5台のスピーカーを聴いてみましたが、感想はどうですか?

編集H:価格差も1~5万円超と幅が広いですが、音もずいぶん変わるものですね。

鳥居:スピーカーは、基本的にはとても単純な仕組みで音を出すだけなら簡単です。でも、いい音を出すとなるともの凄く難しいし、コストもかかります。下手に深入りしてしまうと、主に経済的な理由で大変なことになります(笑)

編集H:そこまでは踏み込めませんが、オラソニックは価格のわりに明らかに音質の良さがわかりましたし、好みで言えばボーズのパワフルさも魅力です。まずは無理のないところでPC用スピーカーを使ってみることになります。

鳥居:あくまでも趣味ですから、自分の手の届く範囲で楽しむことが肝心。手頃なスピーカーを手に入れたら、置き方やスピーカーの間隔などをいろいろと変えてみるのもおすすめです。セッティングでもスピーカーの音は随分変わりますから。

編集H:そういうのはお金もかからないし、面白そうですね。

 単品でシステムを組むピュア・オーディオの世界でも、スピーカーは音を左右する要素がもっとも大きく、果てしなく奥は深い。

 PC用スピーカーであっても、自分の好きな音を探す、よりいい音を追求するという楽しみは十分に味わえる。音楽が好きな人ならば、ぜひ挑戦してみてほしい。きっと、もっと音楽が好きになれるはずだ。


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