もはやアニメはメインストリーム
住吉 「REGZAの映像コンセプトは“原画復元”。元の映像(=オリジナル)の状態で映し出したいと考えています。これはアニメに関しても同様です」
と、住吉氏は語る。
REGZAシリーズで初めてアニメモードを搭載したREGZA Z9000の登場から2年が過ぎ、周囲の環境も変わってきた。かつてのテレビと言えば、実写(特に映画)の高画質な再生を意図したものが大半であった。しかし、REGZAはゲームやアニメ、そしてネットワークといったそれ以外のソースの高画質な再生についても積極的に取り組んできた。
住吉 「Z9000の開発当時は、アニメモードのほかにも、ゲームダイレクトなど、新しい機能に取り組んでいた時期です。ちょっとニッチな方向のところもカバーしていこうと思いました。ただ、ニッチといっても、アニメというのは国内ではBDセールスの半分以上を占めています。2009年当時でも半分ぐらいのシェアがありました。タイトル数も豊富で全然ニッチではない。メインストリームだろうと考えています」
取材では春以降の新製品では、BDなど高画質なソースの良さをさらに引き出すようなアニメモードの拡張も検討していることが明らかになった。REGZAのアニメモードの進化は止まらない。
REGZA Z3とZP3とは
2011年秋冬商戦向けモデルとして登場した「REGZA ZP3」(3D対応小型プレミアムモデル)と「REGZA Z3」(2D高画質モデル)。3D対応のZP3は、フレーム補間処理による“滑らかな動き”と約21ms(約1.3フレーム)の“低遅延”を両立した“ゲームスムーズ”モードを搭載、対するZ3は最大47V型とZP3より一回り大きな画面サイズが選べる。
画像処理エンジンは従来通り「レグザエンジン CEVO」を採用するが、上述のように超解像技術が最新版の「レゾリューションプラス7」となり、「カラーテクスチャー復元」機能を搭載した。
ネットワーク機能のレグザリンク・シェアは、新たにDTCP-IPサーバー機能を搭載。REGZAで録画した番組をほかの(DTCP-IP対応)テレビで視聴できる。録画したテレビ番組をトランスコードし、「REGZA Tablet」へ配信することも可能だ。NASに保存された映像(AVCHD、MEPG-2)の再生にも対応した(NASへの録画は不可能)。REGZAサーバーと連携し、タイムシフトマシン機能をシームレスに活用できる。
これ以外にも、D端子やHDMI端子からの入力(480i/p)に対して超解像処理(自己合同性型)をかけることが可能となり、DVDなどもより高画質で再生できるといった特徴を持つ。本文で紹介したアニメモードは放送されたアニメコンテンツを高画質に見るというのが趣旨だが、コレクションしたDVD作品を高画質で見たいというアニメファンにとっても注目に値する製品だ。
※後編では氷川竜介氏と住吉 肇氏の両名が、
REGZAのアニメモードについて語り合います。