大画面というだけで迫力倍増
実際に目の前にすると、やはりデカい。目の前に寝っころがると、頭の先から腰を超え、太もも部分までに至るほどのサイズだ。
ちなみに、テレビの最適な視聴距離は、テレビの高さの3倍と言われている。LC-60Z5の画面の高さは839mmなので、3倍すると2517mm、だいたい2.5mだ。一方、我が家のテレビの画面の高さは460mmなので3倍すると1380mm、つまり約1.4mである。
さらに約1m離れてもいいわけであるが、逆に1.4mの距離から視聴しても迫力倍増であり、グレードアップ感は半端ではない。
ただし、私の関心は別のところにある。実は自宅のテレビはテレビとしてだけ使っているわけではない。PCのモニター代わりにもなっている。ソファーに寝転がりながら、トラックボール内蔵のワイヤレスキーボードでPCを操作しているわけだが、正直37V型では文字やアイコンが小さすぎてよく見えないのである。
しかし、さすがは60V型である。1.4mの距離からでも十分アイコンを視認できる。
考えてみれば、15.4型/1680×1050ドットのPCディスプレーにWindowsを表示した場合のアイコンのサイズは約1cm。一方、LC-60Z5にフルHD解像度でWindowsを表示した場合、アイコンサイズはだいたい3cmとなる。
普段、私は約0.5mの距離からPCのディスプレーを見ている。LC-60Z5だと、3倍離れた場所(1.5m)から快適に画面を見られる計算であり、それは普段の私のテレビの視聴距離である。
細かい文字や小さい画像を確認する際は、PCディスプレーを見るように首を少し前にして目を近づける代わりに、Windowsの拡大鏡機能を使えばいい。キーボードのショートカットに設定しておけば、気軽に使うことができる。
さらに、3Dにも対応しており、テレビ録画もできる。確かに現在のテレビ生活を1段階アップしてくれそうな製品である。
なお、シャープは「フリースタイルAQUOS」こと「F5」シリーズを展開しており、そちらにも60V型(LC-60F5)が用意されている。F5の60V型は奥行きが3.5mm(最薄部2.1mm)と、LC-60Z5の4.1mm(最薄部2.7mm)と比べてさらに薄型なのが特徴。さらに重量はスピーカーとスタンド込みで約27kgと、Z5(約37.5kg)と比べて約10kgも軽いため、設置も楽そうだ。
冒頭で設置の問題もあると書いたが、その課題も(私が広いマンションに引っ越すというアップグレードを行なわなくても)テレビのほうがクリアしてくれた。
アメリカでは60V型超の大画面テレビがにわかに盛り上がっているようだが、2012年は日本でも超大画面テレビの時代が来るのではないだろうか。